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信号電圧は信号源抵抗とアンプの入力抵抗で分圧されて増幅される。したがって、入力抵抗が小さいと、同じ信号源抵抗でも見掛け上増幅率が低下して観測される。
1石エミッタ接地回路では、ベース入力抵抗はベース電流IBと熱電圧VTからri=VT/IBと計算できる。熱電圧VTは常温で約26mVである。hFE=100と仮定してコレクタ電流IC=1mAなら、ri=2.6kΩである。
オーディオ用信号源は600Ωか50Ωの正弦波発生器が普通だから、600Ω系なら増幅率は信号源抵抗を考慮しない場合より、2割ほど予測値より低い値となる。そして、その値はhFEの影響を受ける。無視できない入力抵抗を持つ増幅器の増幅率は、信号源抵抗を規定しないとあいまいさが残る。
電流帰還形のバイアス回路では2本の抵抗でベース電圧を定め、ベース電位よりVBE下がった電圧がエミッタ電圧になることを利用して、IC=エミッタ電圧/REとすることでコレクタ電圧を安定化している。
この2本のベースバイアス抵抗も回路の入力抵抗の一部を構成し、通常は10%前後影響するので無視できない。
さらに、1石エミッタ接地増幅器は反転増幅器であり、コレクタ・ベース間にミラー容量Cobが存在する。Cobは増幅率倍に見えるので、増幅率により高域周波数帯域に影響を及ぼす。
さらに、波形ひずみを考えると、増幅率の測定の際の信号電圧はVTに比べて十分小さくなければならない。
このような考慮を払って、1石エミッタ接地増幅器の増幅率がより正確に求まるのだ。
1石エミッタ接地増幅器の詳細解析は、トランジスタ増幅器の第1歩である。
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投稿: さくらママ | 2010年6月21日 (月) 12時22分