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電子回路の設計では1個の部品の省略でも意外にコストに響く。
1000台/月でその部品が@100\なら10万円の節約、月給30万の人が1ヶ月がかりで1個の部品が節約できれば、3カ月で元が取れる。
量産規模が大であればあるほど、コスト削減にかけられる労力は大きくなる。
月産数台の製品なら、開発・設計コストが大きく原価にのしかかる。
部品の種類数が多ければ、管理コストが余計にかかるから目に見えにくいところでコストアップとなる。
工程の短縮も重要である。これは、会社の保有する設備に大きく依存する。この部分は機械屋さんの出番が多い。
しかし、一本の抵抗でも回路の信頼性が大きく変わることがある。寄生発振を止めたり、起動の際の異常電流の防止、並列部分の負担分担の平準化など様々な効果のある部分もある。
アナログエンジニアは抵抗1本にも拘る。その効果を考えて検討・設計量が増えても敢行することがある。
もの作りの原点は設計で、この部分でコストの大部分が決まるのだ。その基礎の上に立って、物つくりの現場の地道な改善が積み重ねられていく。
故障はある確率で生じる。しかし、現在の電子部品の信頼性は概して高いので短期間に類似故障が生じた場合には、考えられる故障のメカニズムと対策案の検討を始めるのがアナログエンジニア流だ。故障を他人の所為に転嫁することなく、妥当なコストでやれる改良を続ける。これが日本製品の信頼性を支えてきたわけであるが、団塊世代の退職とともに、物つくりの洞察力・感性が低下していなければ良いのだが・・・。
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おはようございます 入門者にゅーきちさん
コストダウンに関する部署などのアドバイスは検証がおろそかになりますし、信頼性確認が難しいものが多いですね。
製造工程の合理化なら、まだリスクが少ないのですが・・・・。変更点には魔が潜む、同感です。
投稿: 5513 | 2010年2月23日 (火) 04時40分
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こんばんわ5513さん
ものつくりの原点は設計だと私も思います。
しかし、現在は目先のコストダウンのために設計根拠のつかめていない電子部品や材質を削ってしまいかねず、人の思いつきでの案には慎重に対応しています。
性能の低下などが発覚すれば良いのですが、耐久品質の低下だと、いくら加速試験による信頼性試験を実施してもつかめているのかが不安です。
私の持論として変化点にこそ魔が潜むと、いつも無責任なアドバイスに悩まされる日々です。
投稿: 入門者にゅーきち | 2010年2月22日 (月) 21時40分