低周波アナログ回路では、エミッタ接地回路に比べベース接地回路を使う頻度はかなり少ない。アナログエンジニアはしばしばエミッタ接地回路のコレクタ電流をベース接地回路の入力に使い、自己発熱の影響低減と周波数特性の改善に用いる。
ベース接地回路の4端子パラメータの概略を下記する。
hfb=-α=-hFE/(1+hFE) で通常は-1弱である。
hib=VT/IE VTは熱電圧≒26mVで、エミッタ電流IEが1mAのとき26Ω程度と低い。
hrb≒10^-4 でアーリー効果によるコレクタ電流の変化をVBEの変化に換算した概略値である。VCEが0.6V程度以下になるともっと大きな値になる。
hob=IC/(VA・hFE) で、VAはアーリー電圧である。
hibとhobは動作電流で大きく変化する。
ベース接地点はバイアス回路の関係上、抵抗分圧点になる場合があるが、このときにはCobに比べて十分大きいコンデンサでベース接地点を安定な電位に接続するとfT近くまで周波数帯域を伸ばすことができる。
低周波アナログ回路でもベース接地回路は有用である。そして、ベース接地hパラメータの値はデーターシートから容易に実用的な精度で予測できる。
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入門者にゅーきち さん こんにちは。
トランジスタは3端子素子なので、入力端子と出力端子のうち1端子が共通になり、その端子を接地と呼びます。ベース接地回路では、ベース端子を共通端子とし、入力の基準電位はベースで、エミッタ端子(npnトランジスタでは負)が入力端子となります。
ハイブリッド4端子回路の電圧と電流の取り方は、入力は2番端子から1番端子へ電圧を測り、1番端子から流れ込む方向に電流の向きをとります。
出力側も同様ですが、2,4端子がベースとなります。
詳しくは、「アナログ電子回路設計入門」コロナ社43p〜46pを参照してください。
投稿: 5513 | 2010年1月23日 (土) 11時57分
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5513さんこんばんわ
いつも大変勉強になるので、おじゃましてます。
文章だけで理解できるようになれば、一人前かと勝手にがんばっていますが、はずかしいですが、今回はギブアップです。
ベース接地回路の入力とは、どうイメージすればよいのでしょうか?
あたりまえの事かもしれませんが、わからないまま過ごすにはもったいない重要な知識だと感じたので質問しました。(ノ_-。)
投稿: 入門者にゅーきち | 2010年1月22日 (金) 21時49分