« 自作微圧計の思い出 | トップページ | ダイオードの耐サージ性 »
回路シミュレータSPICEはアナログ電子回路系の解析ツールで、数式モデルの部品を活用して回路の挙動を解析するツールである。
SPICE(=simulation program with integrated circuit emphasis)の名の通り、もともとはアナログIC設計のターンアラウンドタイムを短縮するための解析ツールである。日本には1970年前後に様々ななルートで米:カリフォルニア大学バークレー校から導入された。
SPICEを使いこなすには、各部品、特にトランジスタ、ダイオードのモデルパラメータの意味を少なくとも理解していなければならない。どのような挙動をどのような時間スケールで観測するかは、解析者が決める。解析者が決めるということは、解析に先だって、およその結果の予想を行えることを必要とする。
数10あるトランジスタのパラメータが回路特性に与える影響をあらかじめ試験回路のシミュレーションで把握して、本番に臨む必要がある。
スイッチング回路であれば、電流スパイクは多くの場合寄生容量の充放電時の波形である。電圧性スパイクは寄生インダクタンスの影響である。
インピーダンス素子が3個以上になると、手解析では極端に手間がかかり見通しも良くない。こんな時にSPICEが威力を発揮する。
アナログエンジニアは、解析にあたって使用する能動素子は形名には拘らず、大中小のトランジスタを選択し、モデルパラメータを徐々に変更していく。モデルパラメータで宣言しない項目はデフォルト値が入るので、デフォルト値が何であるかは知っておく必要がある。
SPICEは強力な解析ツールであるが、個別部品を用いた有効な実戦解析をしている方は少数派である。
『人気Blogランキング』の「自然科学」部門に参加しています。今日も貴重な応援の1票をよろしくお願いします。【押す】
« 自作微圧計の思い出 | トップページ | ダイオードの耐サージ性 »
入門者にゅーきちさん こんばんは。
SPICEは回路現象を計算するのみで、放熱計算や素子温度が変化した場合には対応していないのが普通です。
温度影響を計算するには、基本的に異なる温度での素子パラメータを準備する必要があるかと思います。素子温度は放熱計算で求めます。
投稿: 5513 | 2009年11月25日 (水) 17時31分
こんばんわ 5513
つまり放熱計算に使う素子の回路の発熱はSPICEで見積もることは可能という事でしょうか?
回路上の半導体の熱は受熱(熱計算)+自己発熱(SPICE)で可能だと考えていました。
投稿: 入門者にゅーきち | 2009年11月25日 (水) 21時26分
入門者にゅーきちさん おはようございます。
SPICEで見積もることができるのは、素子の消費電力だけです。
SPICEと人手で、温度特性まで予測できると言おうとしたのですが、うまく伝わらなかったようです。
>回路上・・・は全くその通りです。
投稿: 5513 | 2009年11月27日 (金) 06時22分
この記事へのコメントは終了しました。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |
こんばんわ。現在SPICEについて勉強中です
現在はSPICEのリファレンスガイド片手にモデルの解説をみながらですが、コデンサの初期条件など非常に勉強になっています。
以外と難しいと感じているのは、素子の温度をシュミレーションしたいのですが、うまくできていません。
今週、講習に参加するので質問してきます。
投稿: 入門者にゅーきち | 2009年11月25日 (水) 00時51分