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精度の保証された電圧源は精密アナログ回路には不可欠なコンポーネントである。
デジタル電圧計では,基準電圧の経年的安定度が計測の確度を左右する。
昔は,基準電圧の発生に「温度補償形ツェナーダイオード」がよく使用されていた。
ツェナーダイオードは単体では降伏電圧5.6V付近で0温度係数になるので,高価な基準電圧発生回路を使用することなく,比較的温度に安定な電圧源となる。安価な安定化電源ではこの付近のツェナーダイオードがよく使われる。
しかし,5V前後のツェナーダイオードは降伏特性がソフトなので,基準電圧としては降伏電流依存性が高い。
そこで,ツェナーダイオード+順方向ダイオードを1〜3個接続して,降伏電流依存性の少ない複合ダイオードを構成する。高電圧ツェナーダイオードは大きな+温度係数を持つので,温度補償形ツェナーダイオードに供給する電流はふつう2個の温度補償ダイオードと抵抗から供給される。2段構えの安定化だ。
精密電圧計測には国家標準へのトレーサビリティが不可欠である。以前は,温度補償形ツェナーダイオードの選別品を永年に亘り精密測定を行って2次標準にしていたと聞く。今はどうしているのだろう。
基準電圧の精度・確度が保証されていなければ,精密アナログ回路は存在し得ないと考えるアナログエンジニアである。
数分程度なら,品種を選んだ電池を使えば10^-6程度の安定度は得られるが,その絶対値は温度に強く依存する。
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