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集積化されたオペアンプを使いこなすのに必要な知識と計算力はトランジスタ回路に比べて少ないと感じているアナログエンジニアである。
オペアンプを用いた回路のDC的基本特性は,仮想短絡の概念とキルヒホッフの法則を用いることにより,簡単に求めることができる。
オペアンプ回路を設計するのに必要なオペアンプの2次的特性を考慮する場合にも,多くのICユーザーは内部回路に深く立ち入らないで済む。
これは,オペアンプ自体が,種々の一般的な場面では負帰還増幅器としての制御安定性を意識する必要が無いように設計されているからである。各種保護回路も備えている例が多い。
しかし,オペアンプの内部回路は数10個のトランジスタ,抵抗,コンデンサで,おもに構成されている。アナログ回路としては中規模あるいは小規模の回路だろう。
集積化オペアンプでカバーできない電圧・電流領域を扱う場合には,トランジスタ類を用いてオペアンプ自体を自作することになる。これが案外難しいのである。集積化オペアンプで使われる回路技法も取り入れて,発振防止や過電流保護なども備えなければならない。過大入力時の動作も配慮することになる。
アナログ回路のブラックボックス化はオペアンプ回路や3端子レギュレータから始まったように感じている。
しかし,今もなお優秀なアナログ回路を作るには,トランジスタレベルまで,場合によっては半導体製作のプロセスまでブラックボックス化しない執念が必要となる。
そして,ブラックボックスとなりつつあるオペアンプ本体やアナログICは専門家集団により支えられている。
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