RC一次遅れ回路の周波数応答は,入力ViをRと1/jωCを分圧した値がVoであるから,Rと1/jωCの分圧計算をすればよい。
Vo=(1/jωC)/{R+(1/jωC)}Vi=Vi/(1+jωCR)・・・(1)
CR積は時定数と呼ばれ,時間の次元をもつ。
周波数応答とは,正弦波を入力してから十分時間が経過した後の,出力と入力の関係である。
回路が安定ならば,jωはラプラス変換でのsと同じことになる。
さて,低周波 すなわちωが極めて小さいとき式(1)では虚部が0となるので,Vo=Vi(出力平坦)となる。
高周波では,虚部が主要項となるので,Vo≒Vi/(jωCR)で,角周波数ωに反比例して減衰する。このとき,入力に対する出力の位相は-90°となる。
この特性を両対数グラフ上に描けば,水平線と右下がりの折れ線に丸みを付けた形となる。
2つの直線の交点は,実部と虚部が等しい点で,ωCR=1の点である。
従ってVo/Vi=1/(1+j)で,位相差は45°遅れ,複素数の絶対値:振幅を取れば1/(√2)となる。
この周波数で振幅の減衰をデシベル表示をすれば,-3dBである。
(20log√2=-3)
ωCR=1,ω=2πfから変曲点の周波数fc=1/(2πCR)となる。
角周波数から周波数に変換できない回路屋さんも少なくないけど。
√1/2のdB表示を暗算できない回路屋さんも少なくないけど。
複素数の絶対値を得る回路屋さんも少なくないけど。
お話で済まされないのが,実学である。この程度の計算能力と概念は何をさておき大学の工学部と称する場所で身につけていただきたいものだと考えるアナログエンジニアである。
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僕も1台持ってます。かつて流行った「カオス的挙動」の1例ではと思いますが。設計したのが中国人か、誰なのか、是非知りたいです。
投稿: 晴久の父 | 2008年9月 4日 (木) 23時19分