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バイポーラトランジスタの電圧対電流特性は,ほぼ60mV/桁である。式で表現すると
IB=Is・exp(VBE/VT)・・・・・(1)
なので,ln(IB1/Is)=VBE1/VT,ln(IB2/Is)=VBE2/VT VTは熱電圧でkT/q(k:ボルツマン定数,T絶対温度,q:電子電荷)である。常温で26mV。
2式から
ΔVBE=VBE1-VBE2=VT・ln(IB1/IB2)=26mV・ln(I1/I2)=26mV・2.30・log(I1/I2)
であり,60mV/桁となる。(最近では対数の底の変換できない学生・新人が多い)
従って,ある電流でのVBEとIBのデータがあれば,任意の電流値でのベース・エミッタ間電圧VBEが推測できる。
バイポーラトランジスタの標準的な使い方では,データシートの10倍から1/100倍なので単体トランジスタのVBEは0.75V〜0.5Vの範囲であることが多いが,アナログ集積回路中では0.8Vを越えることもある。
たとえば,コレクタ電流1mAでのVBEが判明しているなら,およその有効チップ面積の見当がつく。
極端な使い方,たとえばVBEが0.1V近くまで使う対数増幅器などでは(1)式ではなく,
IB=Is・exp{(VBE/VT)-1}で厳密に計算する。
また,熱電圧VTは+の温度係数を持っているので,VBEそのものの温度係数と打ち消す回路を構成できる。
これが,バンドギャップ形基準電圧源である。種々の回路形式がある。
なお,このような特性はトランジスタが能動状態で動作しているときに成立する。
B・C・Eの一端子を開放して測定すれば,異なる勾配となる。
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