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Lr インダクタンスを含む回路を苦手とする電子回路屋さんは少なくない。
図の回路で,トランジスタがONとなり,時定数L/rの数倍の時間が経過すると,Lの電流IはVCC/rとなる。
この後,トランジスタをOFFするとどうなるか?
インダクタンス電流は流れる電流の方向は急には変われないので一番流れやすい場所を流れる。抵抗Rが短絡なら,トランジスタのコレクタを軽油していた電流Iは(L+r)→Dの経路で,初期値I,時定数L/rで減衰していく。このときコレクタにはVCC程度の電圧しか発生しない。〔ダイオード電圧は無視)
R・Dが無ければどうなるか。
もっとも流れやすい箇所は,トランジスタのC-E間である。C-E間を電圧VRで降伏させて,初期値Iから減衰を始める。
V=Ldt/dIの基本式から,(VR-VCC)=Ldt/dIの減少率でほぼ線形に電流Iが0になるまで電流Iは減少していく。これでインダクタンス電流が0となるまで降伏は継続する。この状態は,トランジスタで通常保証されている使い方ではないので,好ましくない。
次に,トランジスタが降伏しない状態になるRを挿入するとどうなるか。
SWオフの瞬間,電流の経路は(L+r)→R→Dに切り替わる。このとき,トランジスタのC-E間には最大RI+Vj+VCCの電圧がかかり,概略L/(r+R)の時定数で減衰していく。
インダクタンス電流は着目する時間内で急には変化することができない。
したがって,SW時間が時定数に比べて十分早ければ,初期値Iの電流は回路の一番流れやすい部分を経由して流れる方向が決まり,その経路にしたがって電流の減衰の仕方が変化するのである。
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