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バイポーラトランジスタのVCE-IC曲線の直線部を負側に延長すると,ほぼ点VAでゼロと交わる。
これがアーリー電圧である。アーリー電圧VAの測定は案外,注意が必要である。
VCEが2V程度以下の部分を使うと,ON状態の特性に近づくので,VAは低めに,かつコレクタ電流特性群が同じ点に収束しない。
VCEが高め,コレクタ電流ICが高めの場合には,自己加熱によりhFEが増加するので,これもアーリー電圧が低めにでる要因である。
VCEが降伏電圧近くになると,見かけ上のhFEが大きくなるので,VAを低めに見積もることになる。
理想は,自己加熱を避けるため,パルス測定でVCE-IC曲線をとり,その平坦部を左側に延長するとアーリー電圧VAが求まる。実験的に求めるのだから,当然,特定の1点で完全には交わらないが,それでも有効数字1.5桁程度で測定できる。通常は80-200V程度である。高VCE,高ICでは温度上昇によるhFEの増加のため,VAは低く測定されやすい。
数式モデルとして,私はIC=IC0(1+VCE/VA)の式を通常用いる。
回路シミュレータSPICEでは,VAを指定する。hパラメータのhoeに関連するパラメータである。
アーリー電圧は,チップ温度一定で,適当な電圧範囲で取得された複数のVCE-IC曲線からもとめるべきものと考える。
アーリー電圧VAとhパラメータの関係については,次の機会に述べる。
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