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可変抵抗は,固定抵抗に比べて使用に際しての考慮点が多い。
まず,入手できる抵抗値が1,2,5の10のn乗の値しかなく,かつ抵抗精度は低い。
次に,抵抗体の材料により,温度係数と製造できる範囲が制約されている。
3番目に,調整分解能に注意を払う必要がある。10回転の可変抵抗を使用しても1/10000の調整はかなり難しい。多回転トリマでは,品種により1回転トリマ程度の分解能しか持たないものもある。
回路上の可変抵抗の挿入位置によっては,調整対象の項目に対して回転角と線形な関係で無い場合もある。
複数の可変抵抗による調整を行う場合には,調整対象項目に対応する信号を順次入力し,調整の手順を決めなければならない。各可変抵抗の調整機能は調整対象と1:1に対応しない場合もある。うまく可変抵抗の挿入位置を工夫して,可変抵抗と調整項目が干渉しないことが望まれる。
可変抵抗を含む回路の解析は,可変抵抗値の値をRo,調整位置をx (xの変域は0〜1)として,Ro・xとRo(1-x)の2本の抵抗として置き換えて解けばよい。しかし,計算量はかなり増える。
可変抵抗の調整範囲を決めるには,そのユニットのばらつきをきちんと把握していなければならないので,通常の設計に加えて,回路で使われる部品の詳細な知識も必要となる。
このような背景があるので,可変抵抗を適正に使うことができる方は,設計速度に差はあってもプロとして通用するセンスの持ち主であるといえる。
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