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バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間に抵抗を接続するとどうなるか?
この複合回路では,見かけ上のhFEの電流増幅率のコレクタ電流依存性が大きくなる。hFEが非常に小さな値から始まり,電流が大きくなると,本来のhFEに近づく。
IC化ダーリントン接続でよく見かける形である。
定数によっては,ターンオフ時間が数倍短縮される効果もある。ベース・エミッタ間が抵抗により短絡されるので,VCE耐圧も向上することがある。
リニア回路でも,純ダーリントン接続で主トランジスタのベース・エミッタ間に抵抗を挿入すると初段トランジスタのVBE変動が小さくなるのである。同時に初段トランジスタのC・E間漏れ電流が抵抗を介して短絡されるので,高温時のOFF特性も改善される。
トランジスタに抵抗1本挿入するだけで,その計算を解析的に行うには,VBEの値を決め,抵抗に流れる電流IRとトランジスタのベース電流IBをきめ,(IB+IR)を見かけ上のベース電流とし,IBにhFEを乗じてICを求める作業となる。別の手順では計算が煩雑になる。
トランジスタに抵抗1本の回路であるが,上に述べたような現象が同時に起こる。
この回路を個別部品で使う事は少ないかもしれないが,特徴ある特性が得られるので,たとえば高温で使用するトランジスタ回路では意外に必要な回路手法となる。
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