固定抵抗よりも可変抵抗の数値系列はまばらである。1,2,3,5の10^n Ωが一般的である。
製造抵抗範囲も狭い。
可変抵抗を使う場合は,音量調整VRなどの調整機能として人手で設定する場合がほとんどである。センサ回路の感度やバランス調整などにも使われることもある。
低抵抗の可変抵抗は得にくく,可動端子の接触抵抗の影響を受ける。巻き線型可変抵抗の場合には,低抵抗ほど巻きピッチが荒くなるので,適度な抵抗値のVRを選ぶ必要がある。人が設定するので,数度以下の調整は困難である。
低抵抗のVRが必要な場合の対処方法は,適度な抵抗値のVRの1-3端子間に,低抵抗を接続し,VRの2番(可動端子)から電圧を取り出す方法である。必要な設定分解能に応じて,多回転型のVRを使用する。
VRの全抵抗値に比べて1段と低い抵抗値を用いることは,VRの温度係数の影響が小さくなることを意味する。巻き線抵抗は通常の用途においては十分温度係数が低いが,他の抵抗材料を用いたもっと大きな抵抗温度係数を持つVRを使うときには,並列抵抗をうまく利用するのが良い。
トリマと呼ばれる半固定VRも同様であるが,常に設定性と温度係数の問題が潜在する。当然,必要十分な調整範囲を選ぶとともに,調整しやすい回路箇所を作りその場所で調整する。複数のVRを用いるときには,調整機能間の干渉をできるだけ消去しておくと,調整しやすいシステムになる。
VRの使い方は,アナログエンジニアの腕の見せ所でもある。それだけに,調整部分の回路定数の総てが公表されることは少ない。
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