電子回路では低抵抗といえば100Ω以下の値である。
低抵抗には巻腺形抵抗が多く使われる。ふつうマンガニン系の低温度係数で比較的比抵抗の高い金属線が使われる。そして、セラミックボビンにコイル状に多数回巻いて所定の抵抗値を得る。
巻腺抵抗器は空芯ソレノイドに近い構造をしているので、インダクタンスとしても働く。一般に周波数が高くなるとそのインピーダンスZが高くなる傾向が強い。巻腺抵抗器を100kHz程度以上で使うときには、この効果を考慮しなければならない。LCRメータが手元にあれば、巻腺抵抗器のインダクタンスを測ってみるとよい。意外に大きなインダクタンス成分が測定され、抵抗器の大きさと抵抗値によってそのインダクタンス成分がかなり異なるはずである。
巻腺抵抗の多くは電力用抵抗として使われる。小形化のためには、セメント被覆など有機材料に頼らないで、定格電力の設計温度上昇を高めてあるものが多い。プリント基板は耐熱性の巻腺抵抗の温度上昇に耐えられないことがあるので、プリント基板から少し抵抗体を浮かして実装することもある。
高い周波数でインダクタンス成分が少ない低抵抗は、無誘導抵抗として市販されている。一般的ではないが電子回路では、必要に応じて無誘導タイプの低抵抗を使う。
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