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数学オリンピックV経験者が首位ターン!幕内2場所目の阿武剋 大学同期の大の里に「頑張って近づきたい」

[ 2024年11月18日 04:15 ]

大相撲九州場所8日目 ( 2024年11月17日 福岡国際センター )

<九州場所8日目> 寄り切りで朝紅龍(右)を破る阿武剋 (撮影・成瀬 徹)
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幕内2場所目の阿武剋が日体大の先輩だった朝紅龍を寄り切りで破り1敗を守った。モンゴル出身で、新大関・大の里とは大学同期。数学オリンピックで優勝経験がある文武両道の24歳が、先場所の勝ち星に並んだ。トップの1敗は、豊昇龍、琴桜の大関勢と平幕・隆の勝の4人。大の里は翔猿を押し出して6勝2敗とした。

中入り後の序盤戦を盛り上げているのが阿武剋だ。中日もいきなり登場。朝紅龍を立ち合いから突き起こし、左差し、右前みつから力強く寄り切ると1敗を守った。

日体大で2学年上で「キャプテンで強かった」という先輩との一番。「立ち合いでまわしを引けなかったので突きに変えた。中に入れたくなかったので」と思い通りの相撲に頬が緩んだ。

モンゴルの首都ウランバートルから西方へ1000キロ以上も離れたウブス県出身。少年時代はレスリングに励む一方、県の数学オリンピックで優勝した秀才。15歳で神奈川・旭丘高に相撲留学した。入学当初は体重が70キロしかなかったが、米を毎日2升食べ、卒業時には約130キロまで増量。大学では同期の大の里を下して学生横綱になった。

幕下15枚目格付け出しから所要5場所のスピード出世で、秋場所での新入幕を果たした。しかし、幕内力士の立ち合いの速さについていけず、7勝止まり。10月の巡業で先輩力士にも気後れすることなく質問を投げかけ、胸を借りた。その経験が今場所の躍進につながっている。もちろん、「頑張って近づき、いずれ土俵で勝負したい」と大の里の存在も励みになっている。

勝ち星ではそのライバルより先行し、首位を並走する。「トップ?まだまだ。終盤になってから。意識してません」。チェスがマイブームというインテリ力士は、落ち着いた足取りで会場を後にした。 (仁木 弘一)

《豊昇龍と琴桜も並走》 豊昇龍と琴桜はそろって1敗を守り7勝目を挙げた。15年に同じ飛行機でモンゴルから来日した欧勝馬を豪快な右上手投げで下した豊昇龍は「うれしい。(相手は)大学から相撲を始めたけど強い。集中してやれた」と納得顔。一方、琴桜は幕内で初顔の美ノ海を上手ひねりで退け「落ち着いて取れました」と振り返った。初優勝を目指す後半に向け「調子の良しあしではなく、その日の体調と向き合ってやっていくことが大事」と表情を引き締めた。

《大の里は1差追走》 大の里はくせ者の翔猿を問題にせず、6勝2敗で折り返した。立ち合いで翔猿の右張り手を浴びても、ひるまずに前進。出足鋭く体を密着させて一方的に押し出した。支度部屋ではこの日も口数は少なく「集中してやった」と語るだけ。首位と1差を追う後半に向け、土俵下の九重審判長(元大関・千代大海)は「大の里は全力を出し切れなくても勝っている印象。まだ余力がある」とさらなる奮闘を期待した。

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