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【ラグビーW杯】日本 涙のノーサイド...8強ならず 姫野主将「まだまだ強くなれる」

[ 2023年10月9日 04:45 ]

ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組 日本27―39アルゼンチン ( 2023年10月8日 ナント )

<日本・アルゼンチン>敗戦に涙する姫野(左)と流(撮影・篠原岳夫)
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ジョセフジャパンの旅が終わった。日本は1次リーグ最終戦でアルゼンチンに27―39で敗れ、D組3位が確定。2大会連続、海外大会では初となる8強入りはならなかった。今大会限りで退任するジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、53)の初采配となった16年11月の初陣アルゼンチン戦から、約7年。くしくも同じ相手に敗れ、「ONE TEAM」から「Our Team」へ進化してきた物語が幕を閉じた。

3万3624人が駆けつけた会場でノーサイドのホーン。姫野主将は相手とレフェリーに握手で感謝を伝え、仲間にこう伝えた。「歩んできたプロセスは無駄じゃない。胸を張って帰ろう」。最後まで先頭に立ち、けん引した。

粘り強く戦った。前半2分に先制を許したが、0―7の同16分にロックのファカタヴァが個人技で相手防御を突破し、インゴールへ。同23分にラブスカフニがイエローカードで一時退場し、14人での戦いを強いられても、WTBフィフィタがスクラムに緊急参戦するなどチーム一丸で耐えた。

前半終了間際にはフィフィタとSH斎藤の連係でトライを奪い、1点差に食い下がった。後半にはFBレメキが意表を突くDG、WTBナイカブラのトライで追い上げた。だが、迫っては突き放され、4強2度の南米の雄アルゼンチンの終盤の猛攻に力尽きた。姫野主将は「簡単なトライを与えてしまい、焦ってしまった」と振り返った。

19年大会で初のベスト8に到達。その後のジョセフHCは「選手に責任を渡す」ことを徹底した。コーチ陣から数人のリーダー格へプランが説明され、実際の練習は選手主導。互いの信頼が醸成され、長谷川慎コーチは「対等の人間関係を全員がつくれている」と分析。前回の「ONE TEAM」に代わる合言葉は、一人一人が当事者意識を持つ意味を込めた「Our Team(私たちのチーム)」。チームのステップアップは間違いなかった。

そして立てた優勝という大目標。「エベレスト登頂」に例えた道のりは、海外大会初の8強という壁は高く、厚かったことを再確認することとなった。「今回エベレストの頂上に桜を咲かすことはできなかったが、自分たちのレガシー、文化、夢、目標は次に受け継がれていく。日本ラグビーはまだまだ強くなれる」と姫野。一つの挑戦の終わり。それは、4年後への旅の始まりを意味しているに過ぎない。

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