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ストレスが溜まっている人ほど「ガムを噛む」といい理由

[ 2023年10月9日 09:00 ]

自律神経を整える方法として、呼吸やウォーキングといった「リズム運動」が良いことがわかっています。 その中でも、「ガムを噛むことでも自律神経が整う」という事実が、ロッテの研究で明らかになりました。

さらに幸せホルモン「セロトニン」分泌を促したり、免疫物質を増加させるといったメリットもあるというのです。

「ガムを噛むこと」のメリットとは

セロトニン神経の活性化

「噛む」というリズム運動によりセロトニン神経が刺激され、幸せホルモン「セロトニン」分泌が増加し、自律神経の調節、覚醒作用、集中力を高める作用などが期待できます。

ストレスの軽減化

日常生活や仕事、試験期間中などにガムを噛むと、ストレスや不安感、気分の落ち込みを低減する作用などが報告されています。 試験期間中に噛んだ場合では、テストの点数向上も認められました。

免疫物質を増加させる

唾液や粘膜で分泌される免疫物質「免疫グロブリンA(IgA)」は、細菌やウイルス、花粉などのアレルゲンと結合して体内への侵入を防いでくれています。 しかし、慢性的なストレスにより、その量は唾液中で減少すると報告されています。 そこでガムを噛むことで唾液が増え、時間あたりの唾液中へのIgA分泌が増加することが明らかになっています。

▼ガムを嚙むとメンタルケアになる?


ガムを噛み続けると、どんなメリットがある?ロッテの研究から分かったこと

<研究結果概要>
【掲載紙】薬理と治療(2022年50巻6号、1049-1054)
タイトル:ガム継続摂取による免疫および自律神経、ストレスへの影響 - オープンランダム化並行群間比較試験 -
著者:菅野範、松井美咲、大澤謙二、小林暁子、小林弘幸

ガムを嚙むことで自律神経や気分状態の改善、免疫にも良い影響

自律神経の専門家である順天堂大学の小林弘幸先生は、以下のようにコメントしています。

「私たちの最新の研究で、日常生活の中にガムを噛むことを取り入れると、気分がよくなったり自律神経のバランスが改善され、唾液中の免疫物質濃度が増加することがわかっています。ガムは自律神経を整えるだけではなく、脳血流を増加させたり、集中力を高めるなど、さまざまなよいことがありますので、日常生活にぜひ取り入れてみてください」(小林弘幸先生)

▼自律神経の乱れセルフチェック!

プロフィール

小林 弘幸(こばやし ひろゆき)

順天堂大学医学部 総合診療科・病院管理学 教授
自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、腸内環境を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。著書多数執筆。メディア出演や講演活動も多数。

<Edit:編集部>

スポーツの2023年10月9日のニュース

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