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池江璃花子、涙の7位 パリの歓喜につなげる6年ぶり世界大会決勝「たくさんの人に楽しんでもらえた」

[ 2023年7月30日 04:40 ]

水泳世界選手権第16日 ( 2023年7月29日 福岡 )

女子50メートルバタフライ決勝で7位に終わり涙を流す池江(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

競泳の女子50メートルバタフライ決勝で池江璃花子(23=横浜ゴム)は25秒78で7位だった。世界大会の個人種目決勝は、6位入賞した17年世界選手権の100メートルバタフライ以来6年ぶり。闘病前を含めて自身初の表彰台は逃したが、来夏のパリ五輪へ向けて貴重な経験を積んだ。男子100メートルバタフライ決勝の松元克央(26=ミツウロコ)は51秒20で6位。女子50メートル平泳ぎ準決勝は鈴木聡美(32=ミキハウス)が30秒33の全体8位で決勝に進んだ。

仮設スタンドが揺れるほどの大歓声を浴び、池江がスタート台に立った。リレー、個人種目を含めて今大会11本目のレース。課題の浮き上がりで遅れ、得意の後半も周囲の選手が目に入り力んだ。復帰後ベストに0秒29届かず7位。練習では安定して好タイムを出しており「1%でも勝てる可能性があると信じていたが、これが国際大会の難しさ。本来の力を発揮できなかった」と唇をかんだ。

午前の女子50メートル自由形予選は全体20位で敗退して号泣。切り替えに時間を要し、夜の決勝に向かうバスでも弱気な自分がいた。「自分でも感情が分からず、コントロールできなかった。もったいなかった」。会場に着き気持ちの整理はついたが、昼から夕方にかけての重要な準備期間をメンタル面の回復に費やしたことも響いた。

5位通過した前夜の準決勝後、現地観戦する母・美由紀さんから「この舞台で泳いでいることに感動したよ」とメッセージが届いた。池江は「自分は競技者だから結果が出ないと自分を責める。でも応援してくれている人は決勝に行っただけで凄く喜んでくれる。たくさんの人に楽しんでもらえたんじゃないかな」と実感を込めた。

世界大会の個人種目決勝は6年ぶり。一筋縄ではいかない戦いを経験できたことが最大の収穫だ。今大会の本命50メートルバタフライは非五輪種目で「次からは50メートルは忘れて、100メートルにフォーカスしないといけない。この舞台で勝つことで自分が戻ってきたといえる。まだまだ諦めずに頑張りたい」と切り替えた。今大会の個人種目は終了。来夏のパリでの表彰台に向け、新たなステージに入る。

≪応援メッセージ4000件≫6年ぶりに出場した世界選手権で奮闘する池江には、約4000件の応援メッセージが寄せられている。所属契約を結ぶ横浜ゴムが会場の一角にブースを設置。メッセージカードをボードに貼り付けられるコーナーがあり、日本語だけでなく、英語、フランス語など世界各国から言葉が届いた。ファイルにまとめたメッセージの一部は既に池江の手に渡っており、関係者は「池江選手とファンの皆さまの架け橋になれれば」と語った。

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