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夏バテを断つプチ断食 1日1食抜いて弱った胃腸を休ませて!免疫力向上、認知症予防...うれしい効果ズラリ

[ 2024年8月30日 05:00 ]

石原新菜先生に「プチ断食」について教えていただきました
Photo By 提供写真

【生島ヒロシ オヤジの処方箋】芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった"老いるショック"脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、夏バテの体を整える「プチ断食」についてです。

皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。8月はもう終わりですが、まだまだ暑い日が続いてます。夏バテになってませんか?食欲がないですか?そんな弱った体を、断食で整えてみませんか。3日も4日も食べないんじゃなくて、1日1食だけ抜く"プチ断食"。静岡県伊東市の断食道場「ヒポクラティック・サナトリウム」副施設長で、東京都江東区のイシハラクリニック副院長の石原新菜(にいな)医師に教えていただきましょう。

石原先生、この夏の暑さで、皆さん体、特に胃腸が弱ってそうですね。

「夏バテは自律神経の乱れが関係していると言われています。胃腸を動かしているのは副交感神経ですので、胃腸は影響を受けます。また胃腸は冷たいものが入ると粘膜の血流が鈍くなり、胃酸の分泌が悪くなります。冷房の効いた部屋で、薄着で、冷たいものばかり飲んでいた方は要注意です」

そんな胃腸にはプチ断食が効果的なんですか?

「胃潰瘍や潰瘍性大腸炎など胃腸の病気で入院したときは、絶食が基本です。食べるとエネルギーを使うからです。疲れているときには休ませる。夏バテで元気がないからスタミナをつけようと、焼き肉、うなぎなどを食べるのは胃もたれの原因。元気だから焼き肉、うなぎが消化できるのです」

1食抜いてみるんですね。朝昼晩、どこの食事を抜くのがいいですか?

「まず朝食を抜いてみましょう。朝ご飯を食べなくても、すぐに昼食になるので気持ちも楽です。朝食を抜くと、前夜の夕食から昼食までかなりの時間、胃腸を休ませることができます。朝食を全く何も食べないのではなくて、野菜ジュースにしてみることをお勧めします。市販のものでかまいません。野菜ジュースの糖質を気にする方もいますが、おにぎり、パンを食べるよりは血糖値の上昇は控えめです」

昼、晩ご飯は何を食べればいいんですか?

「基本的には何を食べても問題ありませんが、朝食を抜いて、お昼にいきなり焼き肉というのはよくありません。プチ断食明けの昼食は、そば、おにぎりなど軽いものを。昼食を軽めにすると、午後おなかがすいても、体が軽い感じがすると言う方が多いです。一つ注意していただきたいのは、血糖値を下げる薬、血圧の薬を服用している方は、主治医に相談の上で行ってください。食べないで薬を飲むと低血糖になるからです」

1食抜いたとき、野菜ジュース以外で石原先生のお勧めは何ですか?

「しょうが紅茶です。紅茶の赤い色素テアフラビンには強い抗酸化作用があります。しょうがは新陳代謝を活発にして血流を改善し、殺菌作用もあります。作り方も、紅茶におろししょうがか、しょうが汁を入れるだけと簡単。チューブ入りしょうがでもいいですし」

冷房で冷えた体も温まりそうです。

「にんじん・りんごジュースもお勧めします。にんじんは根菜。漢方では根菜は体を温めるのに使われます。にんじんに含まれるベータカロテンは、体内に入るとビタミンAに変化。このビタミンAも強い抗酸化作用があります。りんごにはポリフェノールの一種プロシアニジンが含まれていて、赤ワインのポリフェノールの20〜25倍の抗酸化作用があることが分かってきています」

抗酸化物質を取るのがいいんですね。

「体内に取り込まれた酸素の一部は、老化や生活習慣病の要因となる"活性酸素"になります。現代人はこの活性酸素が多い傾向にあるので、抗酸化物質が必要なのです。断食をするときは、頑張りすぎないようにしてください。しょうが紅茶を飲んで、糖分も欲しいなと思ったら、黒砂糖や黒あめをなめる。塩分を取りたければ、具なしの味噌汁を飲む。家で断食をするときは、特に低血糖症状に注意してください。無理は禁物です」

プチ断食には、夏バテの胃腸を休める以外にも効果が期待できることはありますか?

「まず、排せつが良くなります。ものを食べると、消化のため胃に血液が集まるので、腎臓、大腸など排せつに関わる臓器に血液が回らない。食べなければ、血液が胃ではなく腎臓や大腸に回るので、排せつが促されます」

食べたら押し出されるというイメージもありますが、正しくないんですね。

「免疫力の上昇も期待できます。免疫力には白血球の働きが重要ですが、白血球には血液中の老廃物を掃除する役割もあります。ものをたくさん食べている人は老廃物も多い。老廃物が少なければ、白血球は侵入してきたウイルスや細菌の退治に専念でき、結果として免疫力が上がるわけです」

排せつと同じパターンですね。

「認知症の予防にもつながります。空腹になると胃から"グレリン"というホルモンが分泌され、このグレリンが脳の海馬に届くと、記憶力アップや認知症の予防に役立つことが分かっています」

いいことずくめですね。

「アンチエイジング効果も得られます。2016年に大隅良典教授がノーベル生理学・医学賞を受賞した"オートファジー"をご存じの方も多いと思います。"自食作用"という意味で、空腹状態が16時間続くと、細胞が自らの細胞内にたまった古いたんぱく質を食べて分解し、新しいたんぱく質を作る機能。細胞が自らをリサイクルし細胞が若返るので、アンチエイジング効果が期待できるわけです。夕食を午後8時ごろ食べて、朝食を抜いて、昼食を正午ごろ食べる。こうすると空腹時間が16時間となり、オートファジーのスイッチが入ります」

プチ断食、万能です。無理はせず、できる範囲で、まずは1食抜いてみましょう。胃腸は整えておかなくちゃ。"食欲の秋"はすぐそこですよ!

◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月〜金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。元為替ディーラーで経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済 本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。

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