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「虎に翼」残り1カ月 番組CP重大予告「美佐江の件は...」新星・片岡凜を絶賛「期待以上」新潟編で存在感

[ 2024年8月30日 12:00 ]

「虎に翼」制作統括・尾崎裕和氏インタビュー(2)

連続テレビ小説「虎に翼」第92話。(手前から)佐田優未(竹澤咲子)佐田寅子(伊藤沙莉)を前にし、森口美佐江(片岡凜)は...(C)NHK
Photo By 提供写真

女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)も残り1カ月となった。「新潟編」(第16〜19週)で一際注目を集めたのが、女優の片岡凜(20)が"怪演"した高校3年生・森口美佐江。連続ひったくり事件への関与が疑われた"赤い腕飾り"で視聴者を恐怖に陥れ、出番は多くなかったものの、圧倒的な存在感を示した。制作統括の尾崎裕和チーフ・プロデューサー(CP)に起用理由などを聞いた。

<(注記)以下、ネタバレ有>

向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

喫茶「ライトハウス」で玉(羽瀬川なぎ)から英語も教わり、成績優秀な美佐江。東京の大学、法学部志望とあり、寅子と親しくなった。

しかし、美佐江が特別な人にしか渡さない"赤い腕飾り"を、事件を起こした少年・少女が持っていたため、関与疑惑が浮上。寅子に追及されると、美佐江は根源的な問いをぶつけた。

「自分でも、よく分かっています。私はとても恵まれているって。家庭環境も、自分自身も。何もせず、誰かが近寄ってくるということは、私にそういう魅力があるんでしょう。でも、強いて言えば、法律の本を読めば、悪いことをすると罰せられる理屈や量刑の決め方は分かります。でも、それがなぜ悪いことに定義されるのか、よく分わからない。佐田先生は、心から納得した答えが出せます?どうして悪い人から物を盗んじゃいけないのか。どうして自分の体を好きに使ってはいけないのか。どうして人を殺しちゃいけないのか」「やっている?何をですか。心から納得できれば、きっとスッキリするんでしょうね」(第92回、8月6日)

1953年(昭和28年)1月、美佐江の審判は不開始。同年3月、美佐江は東京大学に合格。明確な答えを導けぬまま、寅子と美佐江は対峙は終わったが、第20週「ふたたびの東京編」以降も、美佐江の動向が気掛かりな視聴者は少なくない。

美佐江というキャラクターは、戦後すぐの時代を生き抜くために犯罪を犯してしまった道男(和田庵)らとは異なり「新たな世代や少年犯罪の変化を描こうというベースがあって生まれました。特別、サスペンス的な展開にしようと意図したわけではありません」と尾崎CP。戦後、既存の道徳観を欠いた若者による「アプレゲール犯罪」が頻繁した時代背景を盛り込んだ。

片岡は22年に女優デビューしたばかりの新星だが「素敵なお芝居をされる方で、SNSへの投稿内容も個性的。ミステリアスな美佐江役にハマるし、より面白い役にしてくださると思って、お願いしました」と起用理由を説明。朝ドラ初出演とあり「演出と色々相談しながら、じっくり役を作っていらっしゃったのが印象的です。期待以上の美佐江を生み出していただきました」と絶賛、感謝した。

第93回(8月7日)のオンエア後には、自身のSNSに「【ご報告】東大合格しました。では失礼致します」と投稿。尾崎CPも「こちらから何かお願いしたことはなく、投稿は自由にしていただいていて、毎回、僕も面白いなと見ていました」と感心した。

第24週(9月9〜13日)以降の最終盤は、"家庭裁判所の母"と呼ばれた三淵氏のキャリア通り、寅子が東京家裁に異動。三淵氏も対象年齢の引き下げ阻止に力を尽くした少年法の問題が描かれる。

尾崎CPは「美佐江の件はある種、解決しないまま終わっていますが、それが寅子にとって一体何だったのか、考える機会やシーンは今後あります」と"重大予告"。美佐江のその後や影響が注目される。

=インタビュー(3)に続く=

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