このページでは、遺伝資源のアクセスと利益配分(ABS)に関する基礎的な情報をご紹介します。
1993年の生物多様性条約の発効以降、微生物などの遺伝資源へアクセスする場合には、その国から情報に基づく事前の同意(PIC)を得て、その遺伝資源の利用から得た利益を公正かつ衡平に配分することが求められています。この概念は、アクセスと利益配分(ABS)と言われており、国境を越えて遺伝資源を利用する皆様は、利用前からその国におけるABSの規制を確認する必要があります。
名古屋議定書は、生物多様性条約で示された遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分がなされるよう、遺伝資源の提供国及び利用国がとるべき措置が規定されています。提供国措置としては遺伝資源のABSに関する国内法令等の整備が、利用国措置としては提供国法令等の遵守の確認が定められています。 これに対応して、世界各国で国内法令等の整備が進められています。
日本では「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針」(ABS指針)が、名古屋議定書を遵守する義務が日本で生じる8月20日から施行されます。ABS指針は、日本人、外国人を問わず日本国内の遺伝資源を取得するにあたり情報に基づく事前の同意(PIC)の取得は不要であるなど、提供国としての措置は定めていないことが特徴です。
生物多様性条約、名古屋議定書、ABS指針の基本的な内容を以下に示します。
ABS関連図
1993年に発効となった「生物の多様性に関する条約」です。
2014年に発効となった「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」(名古屋議定書)です。
名古屋議定書の国内措置で、「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針」が正式名称です。
日本の企業等が生物多様性条約、名古屋議定書、ABS指針の定めに則りABSを実施していく上での流れ等についてまとめました。
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