「専門商社」ランキング、鉄鋼・繊維・食品...奥深さでは総合商社を凌駕
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商社業界のプレーヤーは、巨大な総合商社のみにとどまらない。鉄鋼や繊維、食品などさまざまな業界に専門商社が存在する。特集『最後の旧来型エリート 商社』(全13回)の#4では、奥深き専門商社の世界を117社のランキング形式でお届けする。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)
総合商社よりも効率的に稼ぐ?
117社ランキングで迫る専門商社の実力
「総合商社の株は割安だ。もっと評価されてもいいのに」――。ある総合商社の幹部はこうため息をつく。
万年割安銘柄とも呼ばれる総合商社の株価。五大総合商社のうち企業の時価総額が実際の純資産と比べてどれくらい割安かを示す指標のPBR(株価純資産倍率)が1倍を超えているのは伊藤忠商事だけだ。つまり、残りの総合商社は会社を解散し、資産を分配した方が利益を得られるというのが、市場からの評価なのだ。
総合商社のPBRが低い理由でよく挙げられるのは、資源や機械、繊維や小売りなど、事業の多様化によるコングロマリットディスカウントだ。事業ポートフォリオが幅広いが故に、成長事業を抱えていたとしても企業全体としての伸びは少ないだろうとみられてしまう。
資産を持っていても稼げないと判断されている総合商社。一方、特定の業界で存在感を発揮する専門商社も商社の世界には多く存在する。総合商社の実力は専門商社と比較することで浮き彫りになるのではないか。
そこでダイヤモンド編集部は、国内の商社についてランキングした。具体的には卸売業を主とする上場企業のうち、直近の売上高が1000億円を超えている企業をピックアップ。資産を元にいかに効率的に稼いでいるかを示すROA(総資産利益率)、資産への市場の評価を示すPBR、株主への貢献を示す株価騰落率、そして従業員への貢献度を示す平均年収の4項目を基に総合偏差値を算出し、117社をランキングした。
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