「顧客に響かない営業」を無意識にやっている組織に足りない顧客アプローチとは?

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握手写真はイメージです Photo:PIXTA

従来の「売り手中心」の営業手法では顧客のニーズを汲み取るのは難しくなってきた。そこで役に立つのが、「カスタマージャーニー」というアプローチだ。これは顧客が購入・継続使用に至るまでの動線のことで、導入することで売り手にとっても様々なメリットがあるという。本稿は、青嶋 稔『売上目標を捨てよう』(インターナショナル新書、集英社インターナショナル)の一部を抜粋・編集したものです。

情報収集、購入、継続利用...
顧客主体のプロセスは「旅」

売り手中心のプロセスから脱却するには、その逆である「買い手」、つまり「顧客」を主役としたプロセスを考えればよい。

「顧客はどのような状態になりたいのか」「どのような体験を望んでいるのか」を考えてアプローチしていくのだ。これを具体的なプロセスに落とし込んだものをカスタマージャーニーと呼ぶ(図表7)。

カスタマージャーニーとは、顧客がどのように関心を抱き、関心事に対してどう情報を探索し、収集された情報からどのように意思決定し、商品・サービスを選び、購入してどんな使用体験をし、再購入・継続利用に至るのか......、という一連のプロセスを「旅」(ジャーニー)に見立てたものだ。顧客が購入・継続使用に至るまでの動線のことを指す。

図表:営業プロセスとカスタマージャーニーの比較本書より 拡大画像表示

カスタマージャーニーのメリットは多くあるが、特に以下の4点に絞って、解説してみたい。1:顧客のことを"わかっていなかった"ことに気づける、2:購買前から購買後まで一貫して顧客を見ることができる、3:全社の部門連携での議論が活発になる、4:社員のやる気を導き出す、という4点である。今回は、1と2について見てみよう。

カスタマージャーニーを描けば
組織の問題意識を強くする

1:顧客のことを"わかっていなかった"ことに気づける

カスタマージャーニーを描くことは、簡単ではない。

例えば、「旅行サービスを検討している人がどのように旅行に関心を持ち、どのように情報探索をし、収集した情報から精査、検討、意思決定をし、旅行をし、その後旅行に関する体験や思い出をどのように共有するのか」、考えたことがあるようでなかなかない。

顧客の動線を考えることは案外難しく、どうしても自社の商品やサービスを中心に考えてしまう。

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