「家計から電気代が消える!」元東電の気鋭研究者が大予言

ダイヤモンド編集部
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竹内純子NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員Photo by Masato Kato

2050年には家計から電気代が消えている。電力会社から小売り事業がなくなる――。そう大予言するのは、東京電力を飛び出して研究者に転身した竹内純子NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員だ。未来の電力ビジネスで勝者となる条件とは?竹内氏に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 堀内亮)

未来の電力ビジネスに
電力小売会社は存在しない

――家計から電気代が消えるという2050年の電力ビジネスの世界観を著書(『エネルギー産業の2050年Utility3.0へのゲームチェンジ』)で描き、反響を呼びました。

家計から電気代が消えるということを含め、誰もが思いつかない、全く新しいことを書いたわけではありません。エネルギー業界の変化の潮流や断面をすでに実感している人は多い。その世界観を俯瞰し、言語化したというところが評価されたのだと思います。

どんな業界もその業界の中だけで変革を起こすだけでは、これからの社会課題を解決できない。業界と別の業界でいろいろな掛け算をしなきゃいけない時期にきている。

そうした未来の電力ビジネスの世界には、電力小売会社は存在しないと思っています。

「家計から電気代が消える!」元東電の気鋭研究者が大予言未来の電力ビジネスでは、電力小売会社は存在しない。家電メーカーなどの異業種が顧客体験 を満足させる"エネルギーサービス"を提供することになる。図表引用『エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ』(竹内純子編著 伊藤剛、岡本浩、戸田直樹著) 拡大画像表示

――著書は、エネルギー業界以外からも注目されました。

自動車、住宅、ゼネコン、家電メーカー、ありとあらゆる業界から「議論させてください」とお声がけをいただいています。

これからどんなに便利な世の中になり、どんなに便利な機器が現れようが、結局のところ、どうやってエネルギー供給をするかが課題。だって、われわれの生活、経済はエネルギーがなければ成り立たない。あらゆる変革を考える時、エネルギー業界は出発点であり、無視できない存在なんです。

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