街路の付番...雑感

ユジノサハリンスクの街は、旧豊原の時代に、その街路の基本的な構造が形作られたので、現今の札幌市などと同様、主要道路は、所謂「碁盤の目」状となっています。

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日本と見紛う?光景

ひょっとすると、そのことが、日本人がサハリンを形容する際に時々使われる「日本に一番近いヨーロッパ」、という表現への違和感を、私に生じさせる一因の一つなのかもしれません。

東西南北にキチっと道路が整備されており、非常に理路整然とした街並みのため、道に迷いにくく、初めて訪問する方にとっても分かりやすい都市だと思います。これは、ある程度、人工的に街が整備されたことに起因していると思われ、本来は、札幌同様、南北通りと東西通りで区分し、〇条〇丁目、という付番をすることが可能な街路であることが示唆されます。
これは規模は全然違いますが、ニューヨークのマンハッタン(東西でStreet、南北でAvenueとし、数字を付番)などとも、ひょっとすると親和性が高いかもしれません。

ヨーロッパの街並みは、基本的に全然違います。
まず、街の中心には、大抵、大きな「川」が流れています。ロンドンのテームズ川やパリのセーヌ川の例を挙げるまでもなく、大小様々な街が、河川の流域から発展して形作られてきたからだと思います。
そして中心街には、円形の「広場」があります。これも、国によって、Square、Place、Platz など、呼び方は様々ですが、そこから各道路が、あるいは放射線状に、あるいは曲がりくねって、接続されているというのが、私の経験です。
ですからそういう街の通りを歩いていると、ちょっと油断すると、方向感覚が分からなくなり、「今、どっちが北?」という状態になります(単に私が方向音痴?なのかもしれませんが...)。

そういう街で住所を付番し、分かりやすくするのに用いられた方法が、日本のような「タテヨコで区切られた地域に付番」するのではなく、「全ての通りに名前を付け、その両サイドに付番」するという、ヨーロッパスタイルの住所方式なのかな?と思ったりします。

そこでユジノサハリンスクの街に戻りますが、この街の住所の付番は「ヨーロッパ式(と勝手に私が名付けてますが)」で、全ての通りに名前があり、その両サイドに付番されています。そしてヨーロッパでは、「道の片側は全て偶数、その反対側は全て奇数」で付番されているので、今まで気にしたことがありませんでしたが、あらためてユジノ市内の住所の付番を見ると、そのようになっていました。

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何が言いたいかというと、ユジノサハリンスクは、日本式の構造の土台に、ヨーロッパ式の住所が付番されている、非常に特殊な面白い街なのでは?ということです。ただしこの街にとっての「建都」は、市の公式には、「1882年のウラジミロフカ村」であることも、忘れてはいけません。
http://65rus.seesaa.net/article/452073664.html
http://65rus.seesaa.net/article/453346646.html

ちょっと街を散策するだけで、何とも複雑で入り組んだエピソードに遭遇することができるのも、この街の、そしてサハリンの醍醐味なのかもしれません。

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