2014年 12月 29日
ÌRJo[.indd 《フィクションの楽しみ》
アントワーヌ・ヴォロディーヌ
濵野耕一郎訳
四六判上製/185頁/定価2200円+税
978-4-8010-0080-3 C0097 1月10日頃発売予定!
装幀=宗利淳一
SF? 恋愛小説? 《ポスト・エグゾチスム》的ロマンス!
〈オルビーズ〉の精神のもと、夫のジャンとともに<コロニー>のために闘い、収容所に送られることとなったマリア・サマルカンド。革命の希望さえ失われた終末論的世界で、マリアとジャンの紡ぐ、もの悲しくも美しい夢想の書。
《ポスト・エグゾチスム》という新しい文学運動の創始者であり、複数のペンネームで独自の世界観を生み出し続ける奇才による、<監禁学>小説。
【目次】
I マリア
骨の山——《シュルレアリスム的監禁学提要》 マリア・サマルカンド
一 オオハシ/二 カメ/三 コオロギ/四 オーロックス/五 ヨーロッパヤマコウモリ/六 トカゲ/七 結び
II ジャン
骨の山——《ポスト・エキゾチスム的監禁学概要》 ジャン・ウラセンコ
一 スウェイン/二 アンデルセン/三 タルハルスキ/四 ホラーサーン /五 ラーセン/六 ウズベク/七 エピローグ
訳者あとがき
【著者/訳者について】
アントワーヌ・ヴォロディーヌ(Antoine Volodine) 1950年、フランスのシャロン゠シュル゠ソーヌに生まれる。大学でフランス文学とロシア語を学び、15年間ロシア語教師として働く。主な著書に『アルト・ソロ』(白水社、1995年)、『無力な天使たち』(国書刊行会、2012年)、メディシス賞を受賞したTerminus radieux(Seuil, 2014)などがある。
*
濵野耕一郎(はまのこういちろう) 1969年、神奈川県に生まれる。京都大学大学院文学研究科仏語仏文学博士課程単位取得退学。ナンシー第二大学文学部博士課程修了。現在、青山学院大学教授。専攻、フランス文学。主な著書にGeorges Bataille. La perte, le don et l’écriture(Éditions Universitaires de Dijon, 2004)などがある。
***
先日、最新作『 Terminus radieux 』でメディシス賞を受賞したばかりの、『骨の山』著者アントワーヌ・ヴォロディーヌ氏の来日が決定しました! 来日中には講演会など多数行われますので、皆様こぞって足をお運びください!
★2015年1月9日(金) 18:30-20:30
講演「男と女:ポスト・エグゾティズムの現実と幻想の中で」
(仮)
+ 対談 : 「最新作 『 Terminus radieux 』 をめぐって」
アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(東京、飯田橋)
入場無料 / 予約不要 フランス語・日本語(同時通訳付)
★2015年1月9日(金) 10:00 – 11:45
文学のワークショップ「言葉と夢の世界」
アンスティチュ・フランセ東京メディアテーク(東京、飯田橋)
2000円(要予約。15名定員)フランス語(通訳なし)
★ 2015年1月13日(火) 午後6時 15分より
朗読と対談 「アントワーヌ・ヴォロディーヌの二つの小説をめぐって――『無力な天使たち』と『骨の山』」
早稲田大学 戸山キャンパス 36号館5階、 581教室
参加自由(予約不要) / 逐次通訳あり
★ 2015年01月15日(木) 午後6時より
朗読と対談 「草の名の一覧表:ポスト—エグゾティスムの作品における植物の主題」
学習院大学 文学部北2号館5階、フランス文学専攻研究室 (570)
参加自由(予約不要) / 使用言語:フランス語
★ 2015年01月16日(金) 午後3時から7時まで
アントワーヌ・ヴォロディーヌの講演 : 「ポスト–エグゾティスム:総括と展望(仮)」
討論 : 「ポスト–エグゾティスム:4つの問い」
発表者: 國分俊宏、三ツ堀広一郎、ティエリ・マレ、ミカエル・フェリエ
東京大学 駒場キャンパス、18号館4階コラボレーションルーム1
参加自由(予約不要) / 逐次通訳あり
2014年 12月 29日
sakka 作家の聖別——フランス・ロマン主義 I
ポール・ベニシュー 片岡大右+原大地+辻川慶子+古城毅訳
A5判上製/688頁/定価=8000円+税
ISBN978-4-8010-0028-5 C0098 1月10日頃発売予定!
装幀=西山孝司
フランス・ロマン主義の哲学的歴史
驚くべきこと、ほとんど奇跡とも思えることであるが、最初の羽ばたきのときには時代遅れのものに映ったこの偉大な業績は、時の流れを受けて今、永遠の空を飛翔している。——フランソワ・フュレ(革命史家)
19世紀前半、宗教的権力に代わり、世俗的な聖職者たらんとした詩人、文学者たちの「聖別」の過程を克明に追いながら、いかにして文学が高い精神的職務を担うよう求められるに至ったのかを論じる。フランス・ロマン主義を徹底的に解明する長大評論の第一巻。
〈ベニシューのロマン主義研究は、文学的なものの社会的身分規定を探求する歩みそれ自体を通して、非宗教化された社会生活を律しうる新たな正当化原理の形成という、フランス的近代の全体を貫く――そして私たちの生きる近代それ自体の根本的性格とも関わっているはずの――広範な問題系へと道を開く。〉
「ポール・ベニシューとその時代(1)」より
【目次】
作家の行程―ポール・ベニシューへのインタビュー
作家の聖別
序論
第一章 世俗的聖職を求めて
1 「文人」と新しい信仰
2 〈啓蒙の世紀〉における詩人
3 革命の危機
第二章 神聖詩人
第三章 イリュミニスムと詩―ルイ・クロード・ド・サン=マルタン
第四章 反革命と文学
1 文人の失墜
2 対哲学
3 神聖詩人とキリスト教詩人
4 感性と宗教
5 「キリスト教精髄」あるいは感性的人間の回心
6 反革命の両義性
7 ピエール=シモン・バランシュ
8 詩人の出現―ラマルチーヌの登場
第五章 自由主義派の貢献
1 セナンクール
2 初期ノディエと「瞑想者たち」
3 世俗的スピリチュアリスム―美学
4 ジェルメーヌ・ド・スタールとバンジャマン・コンスタン
5 折衷主義―クザン、ジュフロワ
第六章 神智論者の詩学
第七章 ロマン主義革命
1 王党派ロマン主義
2 『フランス詩神』
3 自由主義的ロマン主義―スタンダール
4 自由主義者と
5 統一ロマン主義、ノディエ、第二セナークル
6 ロマン主義とフランス社会
第八章 偉大な世代の登場
1 アルフレッド・ド・ヴィニー
2 ヴィクトル・ユゴー
3 サント=ブーヴ
第九章 一八三〇年と〈若きフランス〉
1 若きロマン主義とブルジョワジー
2 〈若きフランス〉またはプチ・セナークル
3 ペトリュス・ボレル
4 フィロテ・オネディ
5 ジェラール・ド・ネルヴァル
6 テオフィル・ゴーチエ
巻末の省察
註
人名索引
ポール・ベニシューとその時代(一) 片岡大右
訳者あとがき
【著者/訳者について】
ポール・ベニシュー(Paul Bénichou) 1908年、トレムセン(アルジェリア)生まれ。2001年パリに没した。ユルム街の高等師範学校(フランス、パリ)に学ぶ。第二次大戦中のアルゼンチン亡命を挟み、戦前・戦後にかけて長くフランスで中等教育に携わった後、1958年にハーヴァード大学(アメリカ合衆国)に招かれて、以後79年までフランス文学およびスペイン口承文学を講じた。1948年の『偉大な世紀のモラル』(朝倉剛・羽賀賢二訳、法政大学出版局、1993)に始まり、1973年の『作家の聖別』(本書)以降、『預言者の時代』(1977)、『ロマン主義の祭司』(1988)、『幻滅の流派』(1992)と書き継がれた四冊の「フランス・ロマン主義の哲学的歴史」を経て1995年の『マラルメに従って』に至る一連の著作は、17世紀以降のフランス文学・思想史を刷新する壮大なパノラマを描き出している。
*
片岡大右(かたおかだいすけ) 1974年北海道生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科にて博士号取得。現在、同研究科研究員。フランス文学・思想史。著書に『隠遁者、野生人、蛮人――反文明的形象の系譜と近代』(知泉書館、2012)、最近の論文に« Chateaubriand disciple infidèle de Pascal »(RHLF, à paraître en 2015)、共訳書にF・ドゥノール&A・シュワルツ『欧州統合と新自由主義――社会的ヨーロッパの行方』(論創社、2012)などがある。
原大地(はらたいち) 1973年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。パリ第四大学にて博士号取得。現在、慶應義塾大学商学部准教授。フランス語・フランス文学。著書にLautréamont : vers l’autre (L’Harmattan, 2006)、『牧神の午後―マラルメを読もう』(慶應義塾大学教養研究センター選書、2011)、『マラルメ 不在の懐胎』(慶應義塾大学出版会、2014)などがある。
辻川慶子(つじかわけいこ) 1973年大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。パリ第八大学にて博士号取得。現在、白百合女子大学准教授。19世紀フランス文学。著書にNerval et les limbes de l’histoire. Lecture des Illuminés (Genève, Droz, 2008)、共訳書にブリュノ・ヴィアール『100語でわかるロマン主義』(白水社、2012)などがある。
古城毅(こじょうたけし) 1975年東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科にて博士号取得。現在、学習院大学法学部教授。政治学史。主な論文に「商業社会と代表制、多神教とデモクラシー(1)‐(5)」(『国家学会雑誌』第127巻、3・4号‐11・12号、2014)、「フランス革命期の共和政論――コンスタンと、メストル、ネッケル、スタール―」(『国家学会雑誌』第117巻、5・6号、2004)、訳書にブリュノ・ベルナルディ『ジャン=ジャック・ルソーの政治哲学―一般意志・人民主権・共和国』(共訳、勁草書房、2014)などがある。
2014年 12月 29日
ÃûWÆJo[.indd 《フィクションの楽しみ》
古書収集家
グスタボ・ファベロン=パトリアウ/高野雅司 訳
四六判上製/284頁/定価=2800円+税
978-4-8010-0079-7 C0097 好評発売中!
装幀=宗利淳一
狂気は追いやられても、精神の片隅で計り知れない苦悩と不安の言動に隠れて、そのまま残っているのです。
ジャーナリスト、編集者でもある言語学者が、北米産ミステリーと60年代南米小説の実験精神を融合させた驚異のデビュー作!
『古書収集家』は野心的で複雑な小説だ......読むことを通して作品の創造に加わり、空想にふけり、この小説の豊かで味わい深い文章に秘められた緻密な意味と謎を享受することができる読者は、いつまでも本書を忘れることはないだろう。――マリオ・バルガス=リョサ
【著者について】
グスタボ・ファベロン=パトリアウ 1966年、ペルーのリマに生まれる。作家、文芸批評家、ジャーナリスト。現在、ボードウィン大学准教授。主な著書に、『反乱者――十八世紀スペイン系アメリカにおける先住民の蜂起と新興国家』(Tecnos, 2006)、『アレゴニーに抗して――十九世紀ラテンアメリカ文学における覇権と反体制』(Olms Verlag, 2011)、編書に『すべての血――ペルー政治暴力短編小説集』(Matalamanga, 2006)、『野生のボラーニョ』(Candaya, 2008)などがある。
【訳者について】
高野雅司(たかのまさし) 1976年、埼玉県に生まれる。神戸市外国語大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、神戸市外国語大学非常勤講師。専攻、ラテンアメリカ文学。主な論文に「ルイス・セルヌーダにおける自由の模索――『オクノス』を通して」(『Hispánica』第五十七号、日本イスパニヤ学会、2013年)などがある。
【関連書】
メルラーナ街の混沌たる殺人事件 カルロ・エミーリオ・ガッダ/千種堅訳 3500円+税
2014年 12月 29日
ò ́Jo[.indd黒沢清と〈断続〉の映画
著者=川崎公平
A5判上製/376頁/定価=5000円+税
978-4-8010-0072-8 C0074 好評発売中!
「断」「続」が共存するホラー映画の臨界点
観る者の予断を翻弄し続ける特異な作品群によって世界の映画シーンを震撼させてきた奇才・黒沢清。
彼が思考する〈ホラー映画〉、ひいては〈映画〉というメディアそれ自体のリミットはいかにして作品に刻み込まれているのか。
『CURE』以降の6つの作品を解体・再構築しながら、断絶と接続の二重性=〈断続〉というキーワードによって、映画創作の核心に迫る初の本格的黒沢清論。
《黒沢の映画は、切り離されたりつながったりする「関係」を、単に物語内で中心に据えているだけではない。そこでは、それに重なりあうかたちで、映画それ自体における「関係」が思考されている。本書においてその映画自体の「関係」のありようは、「断続」という言葉で表現されることになるだろう――》(本文より)
〔目次〕
序章 二重性の二重化
第一部 〈関係〉の重層――『CURE』をめぐって
第一章 媒介者の肖像
第二章 「断続」をめぐる闘争
第二部 〈非‐人間〉と〈断言〉の未来——ホラーのリミット
第三章 「決定」をやりなおす
第四章 根拠なき分身
第三部 〈過去〉の明滅——出会いの準備
第五章 事後の光
第六章 記憶喪失者のフラッシュバック
終 章 「戦い」をはじめなおすために
註/参考文献/フィルモグラフィ
あとがき
〔著者について〕
川崎公平(かわさきこうへい) 1979年、北海道に生まれる。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、北海道大学大学院文学研究科専門研究員、明治学院大学非常勤講師。専攻、映像論、日本映画論。主な著書に、『ナイトメア叢書4 映画の恐怖』(青弓社、2007年)、『ヴィジュアル・クリティシズム――表象と映画=機械の臨界点』(玉川大学出版部、2008年)などがある。
2014年 12月 29日
AJfæJo[.inddアメリカ映画とカラーライン――映像が侵犯する人種境界線
金澤智
46判上製、232頁、定価2800円+税
978−4−8010−0078−0 C0074 好評発売中!
装幀=宗利淳一
「20世紀の問題とは、カラーラインの問題である。」
いまや人種境界線は可視の要素ではなく、曖昧かつ不安定で不可視なものになりつつある。そのカラーライン(人種/階層)の問題を、『招かれざる客』『ジャキー・ブラウン』『8 Mile』『ビッグ・フィッシュ』などのハリウッド映画を読み解きながら現代社会の深層にさぐる最もアクチュアルなアメリカ文化・映画論。
【目次】
序 カラーライン(ズ)の世紀
I パッシング
II 異人種間ロマンス
III 侵犯行為
IV 人種パフォーマンスとしてのダンス
V 変身物語
VI 排除と誇張
註
図版一覧
映画作品名・人名索引
【著者について】
金澤智(かなざわさとし) 1965年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。専攻、アメリカ文化、比較文化。現在、高崎商科大学商学部教授。主な著書に『アメリカの旅の文学——ワンダーの世界を歩く』(共著、昭和堂、2009)、『ヘンリー・ミラーを読む』(共著、水声社、2008)、『アメリカ文化史入門——植民地時代から現代まで』(共著、昭和堂、2006)、訳書にヘンリー・ミラー『マルーシの巨像』(水声社、2004)などがある。
【関連書】
フィルム・スタディーズ グレアム・ターナー 松田憲次郎訳 2800円
『フリークス』を撮った男 D・J・スカル+E・サヴァダ 遠藤徹ほか訳 2800円
ジーン・セバーグ ギャリー・マッギー 石崎一樹訳 3500円
FBI VS.ジーン・セバーグ J・R・ラーソン+G・マッギー 石崎一樹訳 2500円
2014年 12月 29日
miller13ヘンリー・ミラー・コレクション13
わが生涯の書物
本田康典+野平宗弘+菅原聖喜+萩埜亮+泉澤みゆき+森田起久子+佐藤亨+河野賢司 訳
四六判上製/576頁/定価=5000円+税
978-4-8010-0002-5 C0398 好評発売中!
装幀者=宗利淳一
ヘンリーのイマジネーションは、世界を、そして地下の迷路をうろつく鬼だ......ヘンリーは人を狂気にする。——アナイス・ニン
ミラーの文学と人生に決定的な影響を与えた書物について、ミラー自身が詳述する。巻末に、1950年にミラー自身が作成した読書目録を掲載。
【訳者について】
本田康典(ほんだやすのり) 一九三八年、熊本市に生まれる。早稲田大学大学院修士課程修了。宮城学院女子大学名誉教授。専攻、二十世紀英米小説。主な著書に、『D・H・ロレンスとヘンリー・ミラー』(北星堂、一九九四年)、『ヘンリー・ミラーを読む』(共編著、水声社、二〇〇八年)、主な訳書に、ヘンリー・ミラー『北回帰線』(水声社、二〇〇四年)、トゥインカ・スィーボード編『回想するヘンリー・ミラー』(共訳、水声社、二〇〇五年)などがある。
野平宗弘(のひらむねひろ) 一九七一年、千葉県に生まれる。東京外国語大学大学院博士課程修了。現在、東京外国語大学大学院講師。専攻、ベトナム文学。主な著書に、『新しい意識 ベトナムの亡命思想家ファム・コン・ティエン』(岩波書店、二〇〇九年)、『ヘンリー・ミラーを読む』(共著、水声社、二〇〇八年)、『バッカナリア 酒と文学の饗宴』(共著、成文社、二〇一二年)などがある。
菅原聖喜(すがわらせいき) 一九四八年、宮城県に生まれる。学習院大学法学部卒業。東北大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。東京理科大学定年退職後、現在、東北大学非常勤講師。専攻、フランス政治史。主な訳書に、ジャン・ルイ・シェフェル『大江健三郎――その肉体と魂の苦悩と再生 哲学的評論』(明窓出版、二〇〇一年)、ヘンリー・ミラー『殺人者を殺せ』(共訳、水声社、二〇〇八年)などがある。
萩埜亮(はぎのりょう) 一九八五年、東京都に生まれる。早稲田大学文学研究科博士後期課程満期退学。現在、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校博士課程に在籍。
泉澤みゆき(いずみさわみゆき) 梅光学院大学大学院博士課程修了。現在、下関市立大学非常勤講師。専攻、アメリカ文学。主な訳書に、トゥインカ・スィーボード編『回想するヘンリー・ミラー』(共訳、水声社、二〇〇五年)などがある。
森田起久子(もりたきくこ) 名古屋市に生まれる。ポートランド州立大学大学院修士課程修了。現在、東京理科大学基礎工学部准教授。専攻、アメリカ文学。主な翻訳に、カトリン・バーチェル「荒木経惟、クレイジー・ヘンリー・ミラー」(『ヘンリー・ミラーを読む』所収、水声社、二〇〇八年)などがある。
佐藤亨(さとうとおる) 一九五八年、一関市に生まれる。明治大学文学部卒業、青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、青山学院大学経営学部教授。専攻、アイルランド及び現代詩研究。主な著書に、『異邦のふるさと「アイルランド」——国境を越えて』(新評論、二〇〇五年)、『北アイルランドとミューラル』(水声社、二〇一一年)、『北アイルランドのインターフェイス』(水声社、二〇一四年)などがある。
河野賢司(こうのけんじ) 一九五九年、田川市に生まれる。広島大学大学院地域研究研究科修士課程修了。現在、九州産業大学教授。専攻、アイルランド及び北アイルランド演劇研究。主な著書に、『現代アイルランド文学序論――紛争とアイデンティティの演劇』(近代文芸社、一九九五年)、『現代アイルランド文学論叢』(大学教育出版、一九九七年)、『周縁からの挑発――現代アイルランド文学論考』(溪水社、二〇〇一年)などがある。
【関連書】
第一期 ヘンリー・ミラー・コレクション 全10巻 セット定価=34100円+税
第二期 ヘンリー・ミラー・コレクション14 母 小林美智代訳 定価3000円+税
第二期 ヘンリー・ミラー・コレクション14 友だちの本 中村亨/本田康典/鈴木章能訳 定価4000円+税
2014年 12月 29日
maurice モーリス・ブランショ――不可視のパートナー
クリストフ・ビダン 上田和彦・岩野卓司・郷原佳以・西山達也・安原伸一朗訳
A5判上製/623頁/定価8000円+税
978-4-8010-0027-8 C0098 好評発売中!
装幀=西山孝司
「顔のない作家」の写真を暴露するような伝記ではなく、ブランショの生と作品を批判的な精神を保ちながら丹念に読み、ブランショにおける「自伝的なもの」を炙り出そうとする、モーリス・ブランショ評伝の決定版。
《いまだかつてない爆発〔......〕の起こった世界に属する「最後の人」「ありふれた人」としての彼の生を書くということ。ブランショは絶えずそうしなければならなかった〔......〕エクリチュールから生へ、生からエクリチュールへと向かうこの絶え間ない動きを書くことは、あらゆる伝記において賭けられていなければならないのだが、しかしそれはすぐさま、いかなる伝記の賭け金でもありえなくなる。この動きを、あらゆる想像的なものの外、つまり第三者の場所で、つねに他者の名において担われる注意深さのうちで書かれなければならない》——序より
目次
序/謝辞/I/II/III/IV/V/VI/註/モーリス・ブランショ著作目録/人名索引/伝記的なものをめぐる伝記的エッセイ 郷原佳以 /訳者あとがき
著者/訳者についてー
クリストフ・ビダン(Christophe Bident) 一九六二年生まれ。高等師範学校、パリ第七大学大学院博士課程修了。博士(文学)。パリ第七大学助教授を経て、現在、ピカルディー大学教授。主な著書に、『ベルナール=マリー・コルテス、ジェネアロジー』(ファラーゴ社、二〇〇〇)、などがある。
*
上田和彦(うえだかずひこ) 一九六四年、熊本県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程修了。現在、関西学院大学法学部教授。専攻、フランス文学・思想。主な著書に、『レヴィナスとブランショ――〈他者〉を揺るがす中性的なもの』(水声社、二〇〇五)などがある。
岩野卓司(いわのたくじ) 一九五九年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程満期修了、パリ第四大学大学院哲学研究科博士課程修了。博士(哲学)。現在、明治大学法学部・教養デザイン研究科教授。専攻、思想史。主な著書に、『ジョルジュ・バタイユ――神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』(水声社、二〇一〇)などがある。
郷原佳以(ごうはらかい) 一九七五年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第七大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、関東学院大学准教授。主な著書に、『文学のミニマル・イメージ――モーリス・ブランショ論』(左右社、二〇一一)などがある。
西山達也(にしやまたつや) 一九七六年、神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。ストラスブール大学大学院博士課程修了。博士(哲学)。現在、西南学院大学准教授。主な訳書に、マルティン・ハイデガー、フィリップ・ラクー=ラバルト『貧しさ』(藤原書店、二〇〇七)などがある。
安原伸一朗(やすはらしんいちろう) 一九七二年、石川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第八大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、日本大学商学部准教授。主な訳書に、ジャン・ポーラン『百フランのための殺人犯――三面記事をめぐる対談』(書肆心水、二〇一三)などがある。
2014年 12月 29日
kozima3 小島信夫短篇集成3
愛の完結/異郷の道化師
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=堀江敏幸
月報=吉増剛造・猪俣和也
A5判上製/600頁/定価8000円+税
ISBN978-4-8010-0063-6 C0393 好評発売中!
装幀=西山孝司
夫婦のあいだだけとはかぎらない揺れ動く男女関係のなかで、愛に似たなにかが萌し、またそれが愛として完結したとすると、じつはもう愛の本質から外れたことになる。小島信夫が初期の作品で追い求めていたのは、愛からはみ出していながら、そのはみだしをふくめた全体が愛と呼ばれうるという構造的な矛盾と柔軟性だった。(堀江敏幸「解説」より)
小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第3回配本。
人間の生を鋭く穿ちつづける小島の小説世界は、アメリカ滞在での経験、そして夫婦のセックスをめぐる考察を経て、新たな段階へと突入する――
生(性)と死が交錯する謎めいた名篇「愛の完結」、姦通というモチーフを男と女それぞれの視点から探究する「黒い炎」「神のあやまち」、カフカ的戦争小説とも呼ぶべき不条理劇「城壁」などの他、単行本未収録作品「赤い布のついたビン」「清滝寺異変」「ケ・セラ・セラ」「塙善兵衛のこと」「東京の忍術使い」をふくむ、全20篇(1956〜1959)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。
目次
巡視
愛の完結
赤い布のついたビン
清滝寺異変
黒い炎
ケ・セラ・セラ
覗かれる部屋
神のあやまち
教壇日誌
狼藉者のいる家
広い夏
異郷の道化師
贋の群像
アメリカを買う
デイトの仕方
城壁
汚れた土地にて
家と家のあいだ
塙善兵衛のこと
東京の忍術使い
解題 柿谷浩一
完結することのない愛を支える方法 堀江敏幸
【次回配本】
4夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 予価8000円+税
【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
1現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
2変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
3私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
4私の作家遍歴I 解説=保坂和志 6000円+税
5私の作家遍歴II 解説=宇野邦一 6000円+税
6私の作家遍歴III 解説=阿部公彦 6000円+税
7そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
8漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
*
小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税
*
未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信2/小島信夫を再読する 1000円+税
2014年 12月 29日
yasai-A5-cover.inddうまいガ野菜――料理人が教える本当においしい野菜の作り方と食べ方
我田大
A5判並製/95頁オールカラー/定価1200円+税2014年 12月 29日
1⁄4YðÇÞJo[.indd 高松次郎を読む
編者 真武真喜子、神山亮子、沢山遼、野田吉郎、森啓輔
執筆者 高島直之、石子順造、刀根康尚、針生一郎、中原佑介、宮川淳、尾野正晴、倉俣史朗、川俣正、ジョセフ・ラヴ、神山亮子、寺山修司、李禹煥、鷹見明彦、藁科英也、菅木志雄、東野芳明、高梨豊、梅津元、たにあらた、宇佐美圭司、真武真喜子、谷藤史彦、神田直子
A5判上製、288頁、定価4000円+税 好評発売中!
978−4−8010−0074−2 C0070
装幀=宗利淳一
〈「問い」を発明、発見すること。解決するのではなく、より直接的、総合的で難解な、そしてしびれるほどに美しい「問い!」そのものの発明や発見にはげむこと......しかし、それは何を意味し、何を強いられることになるだろうか?〉
1960年代後半から日本の「現代美術」を牽引し、40年にわたり制作をつづけた高松次郎。その60年代の「点」「影」「遠近法」のシリーズ、ハイレッド・センターのイベントから90年代の絵画作品までの多彩な活動、思考の全体を見渡す高松次郎作品論集。
【目次】
I ハイレッド・センター、直接行動から批評まで
〈不在〉への想像力——「世界拡大計画」をめぐって 高島直之/ハイレッド・センターにみる美術の〈現代〉 石子順造/ハイ・グループあるいは幻影の時代のグループ 刀根康尚/高松次郎の10年 針生一郎
II 影をめぐって
幻の影を慕いて......(1) 中原佑介/高松次郎個展 宮川淳/高松次郎論——
存在論的行為者への文学的数学愛好者からの手紙 石子順造/「トリックス・アンド・ヴィジョン 盗まれた眼」展について 尾野正晴/建築工事仮囲いに"異変" 倉俣史朗/アートサーカス(日常からの跳躍)川俣正
III 物質と知覚
「高松次郎個展」の問題提起 石子順造/国際大賞—高松次郎《THE STORY》 ジョセフ・ラヴ/1970年代初頭の日本のゼログラフィー・アート――高松次郎を中心に 神山亮子/この七つの文字 寺山修司、高松次郎——表象作業から出会いの世界へ 李禹煥/鍵のかかった窓に射した影——日本の反芸術と高松次郎 鷹見明彦/「もの派」とは何であったか――場所・行為・プロセスをめぐって 高島直之
IV 実在から関係へ
知覚の統御 中原佑介/高松次郎における1970年代——立体造形の展開について 藁科英也/高松次郎〈拡大する断片〉 菅木志雄/70年代の「陰翳礼讃」 高松次郎=「光と影」 東野芳明/地続きでない風景 高梨豊/「写真の写真」を見ること 梅津元
V 絵画へ
面における秩序の感覚——高松次郎の平面作品 たにあらた/平面上の空間——高松次郎「平面上の空間」より 宇佐美圭司/「単体」から読む「平面上の空間」 真武真喜子/身体のエクリチュール 谷藤史彦/高松次郎の「形」をめぐって 神田直子
解題
主要参考文献
「世界拡大計画」のための問い――あとがきに代えて 真武真喜子+神山亮子
【編者について】
真武真喜子(またけまきこ) 1951年生まれ。同志社大学文学部美学芸術学専攻卒業。2003年3月まで北九州市立美術館学芸員。国際芸術センター青森学芸員を経て、2010年から、インディペンデント・キュレーター。2003年、高松次郎『世界拡大計画』『不在への問い』を共同編集。2004年、府中市美術館、北九州市美術館開催の「高松次郎―思考の宇宙」展に企画協力した。
神山亮子(かみやまりょうこ) 1971年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。専攻、戦後日本の美術史。開設準備室を経て、2000年から府中市美術館学芸員。「高松次郎―思考の宇宙」展を企画担当。主な論文に「可能性のドローイング」(『高松次郎 All Drawings』 大和プレス、2009年)がある。
*
沢山遼(さわやまりょう) 1982年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。専攻、美術批評。主な論文に、「繋辞なき反復――高松次郎の非―命題」(『Jiro Takamatsu Critical Archive vol.1』ユミコチバアソシエイツ、2012年)がある。
野田吉郎(のだよしろう) 1981年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程満期退学。専攻、表象文化論、美術批評。現在、東京文化財研究所研究補佐員。
森啓輔(もりけいすけ) 1978年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。専攻、日本近現代美術、美術批評。現在、ヴァンジ彫刻庭園美術館学芸員。主な論文に、「高松次郎『単体』と『複合体』の間──境界に揺らぐ波」(『Jiro Takamatsu Critical Archive vol.4』ユミコチバアソシエイツ、2012年)がある。
【関連書】
世界拡大計画 高松次郎 4000円+税
不在への問い 高松次郎 4500円+税
高松次郎 言葉ともの――日本の現代美術1961−72 光田由里 3000円+税
【関連展覧会】
高松次郎ミステリーズ 東京国立近代美術館 2014年12月2日—2015年3月1日 開催中
高松次郎 制作の軌跡 国立国際美術館 2015年4月7日—7/5 開催予定
2014年 12月 29日
kozima2小島信夫短篇集成2
アメリカン・スクール/無限後退
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=芳川泰久
月報=伊藤氏貴・松本潤一郎・猪俣和也
A5判上製/608頁/定価8000円+税 好評発売中!
ISBN978-4-8010-0062-9 C0393
装幀=西山孝司
関係性としての建築に、構造を生み出してゆく建築に、いわば関係しながら成長してゆく要素を、当の建築に住まわせてゆくのがこの時期の小島信夫の発明である。そしてその要素とは、女である。小島信夫は、いわば建築物の真の主体としての女を、この時期に見いだしている。(芳川泰久「解説」より)
小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第2回配本。
終戦後の日米関係を鋭く諷刺する芥川賞受賞作「アメリカン・スクール」以後、小島文学はどのような変遷をたどるのか?
最晩年にいたるまで脳裏を離れなかった〈信仰〉の問題を先取りする「神」、冥界を思わせる空間を舞台に繰り広げられる珍妙な追走劇「鬼」、カフカ的な戦争小説(?)「無限後退」などに加え、単行本未収録であった「ツムジ風」「雪の降る夜」「浮浪女ビクトリア」「滝壺とメーデー」「勝手な人」「宿り木」をふくむ26篇(1954〜1956)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。
【目次】
アメリカン・スクール
神
鬼
狸
犬
人
R宣伝社
花と魚
憂い顔の騎士たち
温泉博士
音
チャペルのある学校
カメラ遭難せず
ツムジ風
声
ある掃除夫の観察
離れられぬ一隊
雪の降る夜
浮浪女ビクトリア
遅れる男
受験シーズン
滝壺先生とメーデー
勝手な人
草ぼうきの唄
無限後退
宿り木
解題 柿谷浩一
建築と女 芳川泰久
【次回配本】
3愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 予価8000円+税
【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
1現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
2変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
3私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
4私の作家遍歴I 解説=保坂和志 6000円+税
5私の作家遍歴II 解説=宇野邦一 6000円+税
6私の作家遍歴III 解説=阿部公彦 6000円+税
7そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
8漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
*
小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税
*
未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信2/小島信夫を再読する 1000円+税
2014年 12月 29日
ÝÇèÌJo[.indd 《批評の小径》
みどりの国 滞在日記
著者=エリック・ファーユ
訳者=三野博司
四六判上製/200頁/定価=2500円+税
978-4-8010-0077-3 C0097 好評発売中!
装幀=宗利淳一
フランス版『枕草子』ここにあり!
注目のフランス人作家が,南は屋久島から北は宗谷岬まで,その眼と耳と肌で日本各地を味わいながら,所々に隠れた異国の神秘に触れてうつろう内面を,率直に綴った美しい〈日記〉。著者への最新インタビューも収録。
【目次】
8月 驟雨のあとに煙る藁屋根
9月 台風の日の獅子舞
10月 不気味の谷を歩く
11月 琉球王国にて
12月 雪が果てしなく
エリック・ファーユ,日本を語る
訳者あとがき
【著者/編訳者】
エリック・ファーユ(Éric Faye) 1963年、リモージュ(フランス)に生まれる。エコール・シュペリユール・ド・ジュルナリスム(リール)に学ぶ。ロイター通信の記者として勤務しながら、1990年より創作活動に入る。主な著書に、『雨の海クルーズ』(Croisière en mer des pluies, 1999),『痕跡のない男』(L’Homme sans empreintes, 2008)、『長崎』(Nagasaki, 2010. 邦訳,水声社,2013年)、『不滅になって,そして死ぬ』(Devenir immortal, et puis mourir, 2012)などがある。
*
三野博(みのひろし) 1949年,京都市に生まれる。クレルモン=フェラン大学大学院博士課程修了。現在,奈良女子大学文学部教授。専攻,フランス文学。主な著者に,Le Silence dans l’œuvre d’Albert Camus, José Corti, 1987,『カミュ,沈黙の誘惑』(2003年),『増補改訂版 カミュ「異邦人」を読む』(2013年,いずれも彩流社),『「星の王子さま」で学ぶフランス語文法』(2007年),『「星の王子さま」事典』(2010年,いずれも大修館書店)などがある。
【エリック・ファーユの本】
『長崎』松田浩則訳/1800円+税
『わたしは灯台守』松田浩則訳/2500円+税
2014年 12月 29日
_kawamura_book_cover03ロトチェンコとソヴィエト文化の建設
河村彩
A5判上製/376頁+別丁図版8頁/定価=6000円+税 好評発売中!
ISBN 978−4−8010−0076−6 C0070
装幀者: 宮村ヤスヲ
革命期ソヴィエト,ロトチェンコが夢見たものは――
抽象絵画・デザイン・写真などの視覚表現を刷新したロトチェンコ。これまでの研究書では取り上げられなかった抽象絵画やフォト・ルポルタージュなどを分析し,同時代の芸術家や批評家の理論および実践との関係をたどる。アートを超えた,社会主義社会の生活文化の創造があきらかになる。
【目次】
はじめに
第一部 絵画からコンストラクションへ
第一章 システムとしての絵画
第二章 コンストラクション
第二部 デザイン――生活建設
第三章 生産主義理論
第四章 事物は同志――家具のデザイン
第五章 意味と造形の組織化
第三部 写真――社会主義の視覚的言語
第六章 視覚の革命
第七章 ドキュメンタリーと集団制作
第八章 『建設のソ連邦』
おわりに
【著者紹介】
河村彩(かわむらあや) 1979年,東京都に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専攻はロシアおよびソヴィエトを中心とする近現代美術,表象文化論。現在,日本学術振興会特別研究員。主な著書に,『ロシア文化の方舟――ソ連崩壊から二〇年』(共著,東洋書店,2011年)などがある。
【関連書】
×ばつ記録 江村公 4000円+税
危機の時代のポリフォニー――ベンヤミン,バフチン,メイエルホリド 桑野隆 3000円+税
全体主義芸術 イーゴリ・ゴロムシトク/貝澤哉訳 7000円+税
ボリシェヴィズムと〈新しい人間〉――20世紀ロシアの宇宙進化論 佐藤正則 3500円+税
最後の絵画 ニコライ・タラブーキン/江村公訳 3000円+税
零の形態――スプレマチズム芸術論集 カジミール・マレーヴィチ/宇佐見多佳子訳 4000円+税
2014年 12月 29日
©{CE?V?Püeイヴ・タンギー――アーチの増殖
長尾天
A5判上製/336頁(+別丁図版8頁)/定価=5000円+税
ISBN978−4−8010−0075−9 C0071 好評発売中!
装幀者=齋藤久美子
シュルレアリスムの極限へ。
我々をたえず読解へと誘いながらも、けっして語りえない領域を指し示すに留まるイヴ・タンギーのイメージ。デ・キリコの形而上絵画,シュルレアリスムの方法論,心霊学との構造的類似,バイオモーフィズムの潮流,エスと集合的無意識,そして2番目のパートナーであるケイ・セージ......タンギーを取り巻く様々なコンテクストを通して,〈語りえないイメージ〉の構造を説き明かす。
【目次】
序論 アーチの増殖
第1章 生涯,作品,先行研究
第2章 イメージの領域
第3章 デ・キリコの無意味
第4章 無用な記号の消滅
第5章 未知の物体
第6章 生命形態的
第7章 タンギーの星
第8章 セージの答え
結論
【著者】
長尾天(ながおたかし) 1980年、東京都に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)専攻博士課程修了。専攻は,20世紀美術史,イメージ論。主な論文に,「イメージの領域――シュルレアリスムにおけるイヴ・タンギーの特殊性」(『美学』第223号,美学会,2005年),「未知の物体――イヴ・タンギーとエクトプラズム」(『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第53輯3分冊,2007年),「アーチの増殖」(『水声通信』23号,水声社,2008年)などがある。
2014年 12月 29日
cover オペラのメデイア
著者=梅野りんこ
A5判上製/312頁/定価=4500円+税
978-4-8010-0056-8 C 0073 好評発売中!
装幀=川崎三木男+関和美
魔女メデイアとは何者か?
ルイ14世の威光を称えるべく,17世紀に誕生したフランス・オペラ。そこに幾度となく登場する魔女メデイアは,父を裏切り,子を殺し,夫を懲罰し続ける......近代ヨーロッパに底流するミソジニー(女性嫌悪)の一端を,オペラの台本を通して浮き彫りにする。
【目次】
序章 研究の背景
第1章 オペラの歴史と絶対王政
第2章 オペラ『テゼ』
第3章 オペラ『メデ』
第4章 オペラ『ジャゾンまたは金羊毛』
第5章 オペラ『メデとジャゾン』
第6章 比較と考察
終章 メデ表象の意味
【著者】
梅野りんこ(うめのりんこ) 1947年,福岡県に生まれる。1971年,東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。2012年,横浜国立大学環境情報学府博士課程後期修了。学術博士。元横浜市会議員(1995‐2003年)。専攻,オペラ史,ジェンダー史,近代ヨーロッパ史。主な論文に「17世紀フランス・オペラとその社会――リュリの"テゼ"とシャルパンティエの"メデ"から見た近代ヨーロッパ」(『技術マネジメント研究』第8号,2009年)、訳書に,J・ピルチャー,I・ウィラハン『キーコンセプト ジェンダー・スタディーズ』(共訳,新曜社,2009年)などがある。
【関連書】
オペラティック ミシェル・レリス/大原宣久・三枝大修訳 3000円
2014年 12月 29日
Tg?11-nR-üe サド全集第11巻
フランス王妃イザベル・ド・バヴィエール秘史 他
著者=ドナシアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド
訳者=原好男・中川誠一
A5判上製函入/480頁(+別丁図版4頁)/定価=7000円+税
978-4-89176-881-2 C0397 好評発売中!
装幀=中山銀士
歴史を操る女たちの競演!
14―15世紀,シャルル6世治下におけるフランス王妃イザベルの恐るべき策略の数々。11世紀,ザクセン大公妃アーデルハイトをめぐる愛と陰謀のアラベスク。サド晩年の想像力が飛翔する,悪徳と美徳に彩られた凄絶な歴史絵巻。
【目次】
フランス王妃イザベル・ド・バヴィエール秘史
ザクセン大公妃アーデルハイト・フォン・ブラウンシュヴァイク 11世紀の事件
解説
【訳者】
原好男(はらよしお) 1940年,大分県日出市に生まれる。東京大学大学院博士課程中退。立教大学名誉教授。専攻,18世紀フランス文学。主な著書に、『ルソー 著作と思想』(共著,有斐閣,1979年),『パリ,歴史の風景』(共著,山川出版社,1997年),主な訳書に,カッシーラー『18世紀の精神』(思索社,1989年),サド『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(水声社,1998年)などがある。
中川誠一(なかがわせいいち) 1951年,東京に生まれる。武蔵大学人文学部卒業後,武蔵大学大学院修士課程修了,筑波大学博士課程中退。現在,武蔵大学,千葉大学,国学院大学,二松学舎大学で非常勤講師を勤める。専攻,フランス文学。主な論文に「シャトーブリアンにおける風景」などがある。
【サド全集 既刊書】
第6巻 恋の罪,壮烈悲惨物語 私市保彦・橋本到訳/8000円+税
第8巻 アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語(上) 原好男訳/4500円+税
第9巻 アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語(下) 原好男訳/5500円+税
第10巻 ガンジュ公爵夫人 橋本到訳/3500円+税
2014年 12月 29日
opera 《批評の小径》
オペラティック
ミシェル・レリス 大原宣久・三枝大修訳
四六判上製/265頁/定価3000円+税
978-4-8010-0060-5 C0098 好評発売中!
装幀=宗利淳一
レリス美学の精髄!
作家/民族学者/美術批評家/闘牛愛好家などさまざまな顔をもつレリス。
レリスはオペラに何を見て、何を得たのか? 幼少期からオペラに親しみ、深い影響を受けてきた作家の未発表草稿をまとめた、異色のオペラ論。
《私がオペラに見出すものは、祝祭的な雰囲気のなかで味わう、純粋に美的な楽しみだ。つまり、まぎれもない、愛好家としての楽しみである。
まじりっけのないこうした楽しみ(哲学的、道徳的な省察とはまったく関係なしに、ただ美しさだけを堪能すること)をオペラに期待してしまう》——本文より
ミシェル・レリス(Michel Leiris) 一九〇一年、パリに生まれ、一九九〇年、サン=ティレールに没した。作家、民族学者。シュルレアリスム運動に参加したのち、脱退。全四巻の自伝的作品『ゲームの規則』や、『幻のアフリカ』など、多数の作品を残した。
大原宣久(おおはらのりひさ) 一九七七年、東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京大学助教(フランス現代文学)。
三枝大修(さいぐさひろのぶ) 一九七九年、千葉県生まれ。ナント大学博士課程修了。成城大学経済学部専任講師(フランス近代詩)。
2014年 12月 29日
kozima8 小島信夫短篇集成8
暮坂/こよなく愛した
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=千野帽子
月報=岡田啓・千葉一幹・生野毅
A5判上製/608頁/定価8000円+税 好評発売中!
ISBN978-4-8010-0068-1 C0393
装幀=西山孝司
ここにあるのは、つんと済ました壺のような(ふりをした)小説ではない。これを読むと、小説というものが読者から自律した作品であるとはかぎらないということ、そして小説というものが読者に向けて、読者の目を見て、読者にも自分の目を見せて、堂々と発せられた言葉でありうるということがわかる。小説はコミュニケーションなのだ。なんて自由なんだ。(千野帽子「解説」より)
小島信夫のすべての短篇小説を網羅するシリーズ、第1回配本(1巻・8巻同時配本)。
家族とは、信仰とは、記憶とは、そして〈書くこと〉とは何なのか......?
大正、昭和、平成を生きた小説家の最晩年、創作と現実のあわいを揺蕩いながら綴られた、文学の新しい地平を指し示す異色の短篇群。
単行本未収録であった「ニンゲンの顔」「出雲の神々」「K・K氏の手ぶり」「庭の紅葉」をふくむ27篇を収める(1990〜2004)。
*内容見本呈。ご請求ください。
目次
それはハッピーなことですわ
羽衣
殺祖
ニンゲンの顔
自娯
鴛鴦
蓬萊
出雲の神々
聖骨
暮坂
天南星
路上
野晒
その一週間
「厳島詣」
K・K氏の手ぶり
備前兼光
夢
こよなく愛した
養老
庭の紅葉
ある話
すべて倒れんとする者
青ミドロ
ラヴ・レター
記憶
小さな講演のあと
解題 柿谷浩一
文学と〈うさんくさい〉ものとの間で 千野帽子
【第1回同時配本】
1小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
【次回配本】
2アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
1現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
2変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
3私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
4私の作家遍歴I 解説=保坂和志 6000円+税
5私の作家遍歴II 解説=宇野邦一 6000円+税
6私の作家遍歴III 解説=阿部公彦 6000円+税
7そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
8漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
*
小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税
*
未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信2/小島信夫を再読する 1000円+税
2014年 12月 29日
å°å3¶çç ̄EæE小島信夫短篇集成1
小銃/馬
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=千石英世
月報=近藤耕人・青木健・松本和也
A5判上製/608頁/定価8000円+税 好評発売中!
ISBN978-4-8010-0061-2 C0393
装幀=西山孝司
小島信夫において小説の創作は生命の倫理であったのだ。創造すること以外に、いかにすれば、生きるにあたいする生命を生きることができるのか。「おお太陽が輝く」。それが小島信夫における創造の倫理であった。「血みどろになってうなるかの如く廻転しながら永遠に鋭い光線を放射している」もの、それが創造だった。それが生きようとすることだった。(千石英世「解説」より)
著者生誕100年記念!
小島信夫のすべての短篇小説を網羅するシリーズ、第1回配本(1巻・8巻同時配本)。
今まで単行本化されることのなかった、中学時代の作「太陽が輝く」および同人誌『崖』に掲載の「男と女と神様の話」をふくむ、小島信夫の少年期から壮年期までの27篇(1927〜1954)を収録。
みずみずしい初期の作品群から、「小銃」「吃音学院」「微笑」などの代表作、著者随一の怪作「馬」までを収め、〈小説家=小島信夫〉の誕生と成長の過程をたどる。
*内容見本呈。ご請求ください。
目次
太陽が輝く
春の日曜の一日
彼の思い出を盗んで
裸木
凧
鉄道事務所
死ぬと云うことは偉大なことなので
往還
公園
男と女と神様の話
よみがえる
汽車の中
佐野先生感傷日記
卒業式
ふぐりと原子ピストル
燕京大学部隊
小銃
大地
雨の山
吃音学院
丹心寮教員宿舎
星
殉教
城砦の人
微笑
護送者
馬
解題 柿谷浩一
作家の初期作品という場合 千石英世
【第1回同時配本】
8暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税
【次回配本】
2アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
1現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
2変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
3私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
4私の作家遍歴I 解説=保坂和志 6000円+税
5私の作家遍歴II 解説=宇野邦一 6000円+税
6私の作家遍歴III 解説=阿部公彦 6000円+税
7そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
8漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
*
小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税
*
未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信2/小島信夫を再読する 1000円+税