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やむにやまれず

2006年創業の会社を経営する元プログラマ。現在従業員12名(内7名が欧米人)で元気にお仕事中。今はもうコードは書いてないので、いつか復帰したい。@sparklegate

月曜日に社外の方とお打ち合わせさせていただいて、面白い議論になったのでそのメモ。
社内SNSはナレッジマネジメントシステムとして機能するかどうかと言う議論があったのですが、僕は、SNS(いわゆるmixi相当のもの)だけではナレッジマネジメントとして機能させるには難しいのではないか、と思っています。

乏しい評価システム。

SNSの中でナレッジが生まれそうなのは日記やコミュニティですが、現時点ではこの日記やコミュニティの記事をうまく欲しいナレッジとして検索できるような仕組みにはなっていないシステムが殆どです。
記事が価値のあるものかどうかを推定する評価システムが欠如しているのがその理由です。

ステータス化するコミュニティ。

まともに議論の場となっているコミュニティは少ない気がします。
コメントが定期的に付くレスポンスの良いトピックはいくつもありますが、大抵は「はじめまして」「Q&A的なもの」「喧嘩の場」であることが殆どではないでしょうか。
自分が興味あるポイントでトピックを挙げても案外反応が無かったりしませんか。
特に技術系のコミュニティにはそう言う誰かが思いつきでトピックを挙げてその後反応無し、となっている物を多く見かけます。
問題提起や議題としての力が弱いものが多く、結果として敷居が上がっているような気がします。
(単発で偶然盛り上がる例はともかく、コミュニティを通して見てもこんなに良い議論ができているよ!というのをご存知の方はぜひコメントをくださいませ。)

すると、議題になるほどでもないが書きたい事は、自分のテリトリーにある日記やブログに書かれることになります。
このブログみたいに、壮大な独り言が増殖するわけです。
コミュニティはどんどん静寂化していき、最終的にコミュニティそのものが「ステータス化」してしまうのではないかと思っています。
つまり、「自分はこんな興味がある」「自分にはこんな癖がある」「自分はこんな人間です」を表明するためのコミュニティになり(実際そう言うコミュニティありますよね)、ナレッジのための用途としては機能しなくなるのではないかと思っています。

ではSNSとは何か。

僕は人間と人間、人間と場(コミュニティ)の関連を示したリンク集なのではないかと思っています。
そこにはナレッジという言葉は出て来ず、強いて言うならば、ナレッジを生み出すはずの人々のクラスタを表現するもの、なのでしょう。
そうしたクラスタは変動を許容し、社内SNSにおいては、組織ともプロジェクトともマッピングしずらい形になっています。
ナレッジとは、生産物やゴールのあるものと異なるものだということなのだろうと思います。

ナレッジのために社内SNSに何が必要なのか。

検索エンジンとソーシャルブックマークです。
それだけに限りませんが、抽象的に言えば「評価システムとして機能するもの」でしょうか。
それが必要だと思います。

検索エンジンは被リンクの多さをコンテンツの重要度と結びつけるなどし、クローラで機械的に分散した情報を集約します。
ソーシャルブックマークはこれを人間のフィルタに頼って行ったものです。
クローラほどの網羅性には乏しいものですが、人間がブラウジングしていく過程で、価値を認められたコンテンツをタグで分類します。
興味や話題性が反映される点などはクローラよりもリアリティのある情報を集約するのに役立つことでしょう。
タグ :
#ナレッジ

トラックバック一覧

  1. 1. 続・社内SNSではナレッジマネジメントはできない

    • [やむにやまれず]
    • 2007年08月27日 11:46
    • 以前書いた「ブックマークが10個くらい付いていたので、もう少し書いてみる。まず、いくつか面白い記事をご紹介いただいたので、それへの反応という形で自分の考えをまとめてみたい。「Know HowからKnow Whoへ 〜社内SNS構築指南」という記事。これは僕が書いた記事中にある....

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