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Wakame-vdcのリリース詳細
先月末(2010年10月29日)にWakameTech#3を開催して、ここでWakame-osの話と、ベースとなるWakame-vdcのデモをお披露目しました。
[埋込みオブジェクト:http://www.youtube.com/v/fQfGBbYPaDE&feature=youtube_gdata_player]
link: Wakame Projectのページ
Wakame-vdcの意義
この辺なかなかご理解いただけないので、補足説明をしておきます。
Wakame-vdcのようなマシンリソースの管理システムは他にも存在します。 EucalyptusやOpenStack、CloudStackなどがそうです。 中には僕たちがこうしたソフトウェアを構築している事に対し、なぜ既存のものがあるのにそれを使わないのか、グローバルに展開しているソフトウェアに参画する方が良いのではないかなどご意見をくださる方もいらっしゃいました。
しかし、実際に僕たちがやりたいのはこの上のレイヤなのです。 この上のレイヤには、Wakame-osや、かつてのWakame-fuelがあります。 これが実現できると、今言われているWeb系システムの管理が大きく変化し、確実に便利になるのです。
実現するにあたって、一部Wakame-vdcのレイヤで対応しなければならない機能がどうしても出てきます。 だからこそ、その部分を誰かに頼っていてはいけないと思うのです。 実用性を証明し、それを他のクラウド事業者にご理解いただきたい。 そう考えています。
プロジェクトの再整理をした
2010/4にWakame-fuelをリリースして、外部状況が大きく変化する中、私がここ数年間の流れとして一番信じているのが「AWSのような大型データセンターと、企業特化型のデータセンターが連携・補完しあってエンタープライズサービスを形作る」と言うもの。 その流れの中で、足りないのは「企業特化型のデータセンターの基盤ソフトウェア」と、「連携・補完しあうための仕組み」なんだと思っています。この辺りはすでに結構色々な方が指摘している流れではないでしょうか。
そこまで腹をくくって、連携や補完について技術動向など踏まえて方向性をまとめまして、それをWakame-osより上の層と定義して着手することにしたのです。
しかし、実際連携と言う橋を掛けるには、出発点と到着点の2つが整備されなければ意味が無いわけです。 僕たちは出発点をWakame-vdcに託し企業内でご利用いただきながら、到着点としてAWSなどの大型データセンターサービスを見据えて行こうと、現時点ではそう考えています。
僕たちは2009/11頃からWakame-vdcの開発に着手することになりますが、その前にもWakame-vdcではなく上のレイヤへ進むかという検討と議論はありました。当時はAWS一択に近い状況で、プラットフォームとして決め込むにはやや絞りすぎている感は否めず、それで基盤技術となりそうなEucalyptusに注目するようにはなったのですが、コードを読んでみるとどうも方向性が違うと感じました。
僕たちが欲しかったのは、「上の層」の要求に対し変化できる「アジリティ」だったので、AWS互換は大げさでしたし、アーキテクチャや開発体制などがそれに応えられないと思いました。 色々調べましたが、案外シンプルで良さそうなものが見当たらず、結局作ることにしました。 仕組みはWakame-fuelとほぼ同じRuby+AMQPで行けると踏んで、検証コードなどいくつか試して実際の開発に乗り出します。 そして2010/2に動き始め某iDCの環境にて検証可能になり、色々あって2010/4にひっそり公開しました。
シンプルな基盤としてスタートし、実際にWakame-fuelの検討に入り流れの中で、一度根本的に見直しして、当初掲げていた設計思想に立ち返ってもう一度整理し直しました。 そこで出て来たのが、Wakame-osの概念です。
その検討中にも色々状況も変わり、Wakame Projectそのものを再度捉え直さねばならないタイミングが来ましたが、これも結局「上の層」がますます大切になったと言う結論です。 シンプルな基盤だったWakame-vdcも、色々な方々とお話しながらある一定の機能は必要とされてきたので、大きく機能拡張して2010年11月19日リリースの今に至ります。
これからは、Wakame-vdcの機能拡張と、いよいよ「上の層」を攻めて行きます。ご期待ください。
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