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先月末にWakame-VDC v11.12がリリースされました。 私たちはこの半年の間、Wakame-VDCの安定化と、実案件への適用、運用、数多くのバグフィックスを通じて様々なナレッジが得られました。 今回のバージョンアップはそれらが全て反映されたもので、今すぐインストールDVDを入手することができます。
早速いろいろと感想が届いていて嬉しい限りです。(←日本語の感想はまだ無い)
OpenFlow対応
特に大きな機能追加は、前回ポストした通り、OpenFlowに対応したことです。おそらく正式リリースされたプロダクトの内、IaaSのようなクラウド基盤ソフトウェアとしては初めてではないでしょうか。 優秀なエンジニア達が組み上げた野心的な試みです。 現在はOpenFlow Specification v1.0.0に準拠する機能しか使えていません。 v1.1.0以降のバージョンに興味深い機能はたくさんあるのですが、まだ使える実装が無いのです。 今はOpen vSwitchと、Tremaを組み合わせています。OpenFlowに足りない機能は、一部Open vSwitchに依存していますし、Tremaも部分的にコードを改造して利用しています。 やってみて分かったのは「機能はするが、それぞれ外部環境となる動きがまだ激しく、安定を志向するユーザ様にとっては時期尚早と言う印象」です。 これとは逆に、新しい可能性を感じられる方々にとっては、Wakame-VDCは十分に検証用のシステムになり、大きな価値を提供できます。 クラウド基盤ソフトウェアにとって、ネットワークは最もエキサイティングな分野です。 この部分の機能拡張を強く進められたことは、Wakame-VDCのこれまで積み重ねて来た確たる実装と、拡張のしやすさ、そしてエンジニアのパワーであると改めて認識しています。
安定化への挑戦
Wakame-VDCは、品質の安定化に向けた取り組みもすでに始まっています。 一文字でもプログラムに変更があれば即時ビルドしてテストを通して確認するプロセス(Continuous Integration - CI)が出来ています。
テストは重要です。 特に、まとめてテストをするよりも、小さな変更が起こる度に行われるテストが重要です。 システム開発のご経験がある方ならご理解いただけるかもしれません。 バグは解析に時間がかかります。 注意深く解析してたどり着いた答えはいつも明快で、原因は小さな不注意です。 そしてプログラマはいつも「このコードは確かに悩みながら何度も書いた」とか「なぜこのバグをその時に見つけられなかったのか」悔やむのです。 CIのプロセスは今加えた変更が、これまでのテストを通さなくするものかどうかはっきりさせます。
また、冗長化構成を取れるように、インストールのガイドラインを準備中です。 これまでもアーキテクチャは冗長化可能なように設計をしてきましたが、ノウハウをまとめてアウトプットしてはいませんでした。 これは、Wakame-VDCが大手電力会社様の次世代向けインフラとして使われており、そこで手を尽くしてきたところです。 皆様にも良い事例としてお示しできるのではないかと考えています。
機能面でユーザへ安定を提供
今回追加された様々な機能が、ユーザに安定を提供します。 物理サーバの障害対応したり、DHCP無しの環境でも動作させられるようになったり、実に様々な試みが組み込まれています。ぜひお試しください。
今後はより開発に注力できる環境作りを
Wakame-VDCは、開発を始めて3年目に突入しました。 オープンソースプロジェクトがこのように長く続いたこと自体、クラウド基盤技術への注目度が高く、また必要とされていることをヒシヒシと感じます。 国内でこのような活動をしている企業はあまり聞きません。 使う側からすれば単純な機能に見えますが、それを研究しながら首尾良くプロダクトにまとめながら使える形にしていくところに、想像していた以上の難しさを感じています。
私共は、こうしたテクノロジをしっかりやっていく企業になりたい。今後は開発スピードを上げて、引き続き世の中へ価値を生み出していきたいと考えています。 そのための3年計画も考えました。 次々に施策を進めていきます。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。これからもお楽しみに!
ご協力者募集中!
Wakame-VDCは、オープンソースライセンスに基づくプロダクトです。常々皆様と一緒に開発をしていきたいと思っています。メールなど何でも結構ですので、ご連絡ください。お待ちしております。
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