ワンチップ化されたダーリントントランジスタでは、抵抗が付加されているものが多く純粋なダーリントン接続のチップの方が少ない。極性は初段Q1がnpn、次の段Q2もnpnである。
3端子ダーリントンの石の用途はSW用が多いので、hFEの直線性よりスイッチング特性が優先されているものと考えられる。
例えばQ1のB-E間に適切な抵抗R1を付加すると、定電流領域、具体的には約0.6V/R1の電流まで初段はほとんど増幅せず、Q2のみが動作する。
次段のQ2のB-E間に抵抗R2を接続すると同じようにhFEの電流依存性が大きくなるとともに、ターンオフ時のSW速度の改善が期待できる他に、高温時の漏れ電流の影響を抑制できる可能性も高い。
npnダーリントントランジスタはSW用途に使うことが多いので、SW特性を優先させた方が使いやすいのかもしれない。
実使用では、hFEの電流依存性が高くなるので設計に際しては、実働電流でのhFEとばらつきに注意して駆動条件を決定することが望ましい。
また、ダーリントン接続は、B-E間が接合電圧VJの2倍となるとともに、飽和電圧がQ2のVBE+Q1の飽和電圧となるのでSW回路の電源電圧が低いときには、負荷電圧不足が生じることもあり得る。
回路図にも、1石のダーリントントランジスタでも、きちんとダーリントン接続の図記号を使わないと誤判断することもある。
たかがダーリントン接続だが、アナログエンジニアは抵抗を追加するなど種々の変形を行うことがある。抵抗を付加する位置、開放する端子など様々な使い方がある。
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