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オペアンプの仮想短絡(imaginary short)の考え方は、オペアンプの裸電圧増幅率(open loop gain)が設計利得βに比べ十分大きく、かつ、負帰還を掛けたとき、オペアンプの±入力端子間電圧を0にするよう、その出力を制御することにある。
アナログエンジニアは、オペアンプの2次的特性のうち、バイアス電流を考慮した検討を行う際にも仮想短絡の概念を使う。
仮想短絡の考え方は、多くは、オペアンプ回路の入出力関係を簡易的に求めるために用いるのだが、その前提が成立する範囲で種々の活用法がある。
オペアンプの基本性質を用いた解析では、理想的オペアンプ(入力電流=0、利得=∞、オフセット電圧=0)とセットで論じられる事が多いが、上述の前提が成立すれば、使えるのである。
なにがともあれ、仮想短絡の概念を使えば、解くべき連立方程式の規模が小さくなるので初めて見る回路形式の特性の1次的な解析に適する。
仮想短絡:短絡と言えば接地=GNDのイメージが強いが、正確には利得が十分あるとの前提で、オペアンプの±入力端子が0Vとなるように、オペアンプの出力が制御され、しかも、制御安定性が確保されていれば良いのだ。
仮想短絡、オペアンプ回路の入り口ではあるが、プロも使える大切な手法であり、計算時間の短縮と見通しの良い入出力関係の期待する関数系の把握に便利な手法である。
残念ながら、先に述べたように、他の性質とセットで記述・説明がなされることが多いので、その有用性が、初心者向けの概念に限定されることが多い。
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