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デジタルオシロスコープの時代になってから、各種の電気波形を簡単に記録に残せるようになった。しかし、記録に残したからと言って、波形の特徴点を把握したことには決して関連はない。
アナログエンジニアの若い頃は、当然アナログオシロで、記録に残すとすれば高価なインスタントフィルムと撮影用のアダプタが必要だった。したがって、電気波形を手書きスケッチで記録し要所要所に波形の特徴点を書き残すことが多かった。
この手書き波形スケッチの作業は今から見れば非効率そのもののようであるが、案外波形の特徴点を自分自身が明白に把握することに役立つのである。
学生に電子記録を使わせずに、電気波形をスケッチさせると、その学生に見えている電気の世界が良く分かる。理解度の低い学生は周波数(周期)や電圧レベルすら波形スケッチに記入しないことも少なからずある。
特に、SW波形などでは特徴点が多くある。立ち上がり時間、立ち下がり時間、スパイクの大きさ、リンギングの大きさと周期、その減衰係数、サグなど、など。
これらの波形を定量的に把握しようとすると、アナログオシロのレベルシフト機能や水平軸の拡大機能をフルに使って数値化しなければ、定量的な数値を添え書きし、必要に応じて部分拡大図は描けない。
波形を記憶に残すことは、その後の改良設計に大いに役立つはずである。
デジタルオシロは電圧軸のダイナミックレンジに弱点がある。
逆に、いまどきながらアナログオシロはエンジニア/学生の訓練にこのように役立つし、またデジタルカメラを使えば簡単に波形写真を残すこともできる。
波形図を記憶できる能力の訓練に、波形図のスケッチは今も重要なトレーニング法であると私は考えている。ここにも便利になり過ぎて失われつつあるエンジニアの腕磨き技法が存在する。
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どんな物事でも経験がないと正確な観測はできない。重要な点もそうでない点も同じに見るからだと思う。習熟により、重要な点をとらえることができるのだろう。人間の習熟というのはおそろしい面がある。一瞬でその重要な点を把握することだ。
アナログオシロで輝線の明るさも重要だ。非常に短いパルスはふつうの明るさでは見えないことがある。場合によってはその信号が素子の絶対最大定格を超えていることがある。非常に短い時間なので、すぐに素子が壊れないが、長い時間で壊れることもある。
投稿: 非国民 | 2011年10月 5日 (水) 22時24分
kazimaさん、非国民さん おはようございます
私は、波形の特徴点によって波形を記憶することができます。そして、アナログオシロの輝度調整を変えて、細いスパイクなどの有無をチェックする習慣がついています。
デジタルオシロは職場に多数あったが、めったに使ったことがない。自宅ではもちろんアナログオシロ。
スパイクの頭がつぶれていたら、これは恐ろしい。どこかで、耐電圧を超えている可能性が高いからだ。
デジタルオシロでは、細いスパイクがとにかく観察しにくいと感じている。
投稿: 5513 | 2011年10月 6日 (木) 06時26分
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波形図を記録するコツというのは、今となってはDPOを使いこなすスキルに変わっているのでしょう
もっとも、業務はともかく自宅にはアナログオシロしかありませんので、昔ながらの方法も尊重しています
投稿: kazima | 2011年10月 5日 (水) 17時32分