何が測れるか、原理はどうかの段階は、センサとして研究段階であろう。ほとんど公表されない「陰のセンサ技術」により、その用途、性能、実用性が決まる。
陰のセンサ技術はいくつかある。
センサは基本的に特定の物理現象を発現させるために、種々の材料を使うことが多い。その結果、センサ材料を最終的にどこかに固定しなければならない。そのとき、必ず異種材料の接合が生じる。
MEMSでの主要材料のシリコンでは、ガラス材との接合に陽極接合(アノーディックボンディング)が使われるが、その先、ガラスと土台との接続をどうするかが大きな課題となる。膨張係数差を吸収するために柔らかい接着剤を使えば、工業用途には不向きとなる。りジッドに固定するならそれなりの工夫を要する。
第二の陰のセンサ技術は精密アナログ技術である。アナログ信号処理技術次第で、コストや性能は大幅に異なってくる。
第三の技術は、補償回路である。通常は数倍から数10倍のセンサ性能の向上を行える。補償技術はセンサ構造と密接な関連を持ち、ゼロ点やスパン(感度)の温度補正などが主に行われる。検出量ではなく、電気的特性を活用しての補償である。補償は軽用途ではロットに対して行われるが、より精密には個々のセンサの温度特性を計測し、その都度、補償定数を決める。逆問題なので、知恵の絞りどころである。
近年はデジタル技術を利用し、複数のセンサを搭載し膨大な実測データを元に補正する手段も使われるが、純アナログ式手法も捨てたものではない。
実践においては、学術としてはふつう成り立たない「陰のセンサ技術」が重要とアナログエンジニアは考えている。
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それにしても福島第一原発の水位計どうして2台とも破損したのだろう。工業用水位計はふつう報道されている程度の環境では壊れない筈だ。
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