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線形2端子素子としての抵抗は、その端子間にかかる電圧Vと流れの向き(電流)Iを逆向きにとった時、V=RIの関係がが成り立つ部品である。必要に応じ、R=V/IあるいはI=V/Rの形で使う。そして、オームの法則V=RIは、端子間の電圧・電流・抵抗の関係を示している式であり、どれが変数になるかは、問題の場面次第である。
Rが既知で電圧計があるなら、I=V/Rで電流計測が可能となる。
Iを一定にすれば、抵抗値はVを測定することによりRを直読できる。これが、デジタル式テスタの測定原理である。デジタルテスタの計測部分は電圧測定である。
一方、アナログ式テスタの場合には、電流計が心臓部なので、電池1個か2個を用い、抵抗を測定するからプローブを短絡させて(0Ωのとき)、電流計としてのフルスケールとなるようにゼロ規正して用い、大略抵抗の逆数の指示が得られ非線形目盛となる。
抵抗回路を扱う際、あくまでも2端子間でオームの法則を適用する必要がある。高校で物理を電気のところまで学ばなかった方の中には、電池と抵抗の組み合わせでしかオームの法則を考えない方も少なからず存在することを教授者は忘れてならない。小・中学校の理科では必ず電池と抵抗の組み合わせで出てくるので、オームの法則が抵抗の両端で成立することを納得しにくい場合もあるのだ。
オームの法則の適用に際しては、電圧・電流の向きを強く意識する必要がある。次の段階で電圧と電流向きを同じ向きにとらざるを得ないとき、V=-RIの式が使えるか否かが明暗を分ける。数値が入っているなら、Rは正値で、Vの向きとIの向きのいずれかが負値となるが、立式の段階では不明となる場合も少なくない。
なお、抵抗は常にエネルギーを消費するので、実際の電圧と電流の向きは逆向きであり、このことを電圧降下と呼ぶ人も多い。
電圧源、電流源、抵抗の話題が揃うと、いよいよ直流線形回路の解き方に話題を進めることになる。ここまでが回路学のイントロに相当する。
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ご指摘のとおり電圧は2点間の電位差です。「電子回路基礎」カテゴリでは、まだ、2端子部品だけしか扱っていないので、実務で使う電圧の表記としました。これから、2点間の電圧などの概念も扱っていこうと考えています。
投稿: 5513 | 2011年4月 7日 (木) 07時09分
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電圧より電位差という呼び方の方が正しいと思うので、普段でもあまり電圧という呼び方はしません。名前に差がつくと、何と何との差なのかという発想になるのでは。
投稿: kazima | 2011年4月 6日 (水) 18時24分