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電気自動車は当たり前のことだが、電池を動力にして走る。30kW・h弱の電池を搭載しても航続距離は現在のところ200km未満である。空調をかけたり、夜間ならもっと航続距離は落ちるだろう。
電池の寿命もいまいちはっきりしない。通常の2次電池は、深い充・放電を数100回繰り返せば、容量は半減する。自動車用なら、このようなことは起こらないのか疑問に思う。携帯やノートPC用の電池では、2年も経過すれば容量は激減するのは常識だ。
電池の起電力は化学反応だから、高温、低温での容量減少も気になるところである。さまざまな条件での実効電力とその経時変化のデータを公開して頂きたいものだ。ある程度の年数と電装品の使用状況を考えると公称航続距離の半分もドライブできないのではないか。
充電も問題である。家庭用の100V系なら30Aで充電するとしても、30kW・hを充電するには10時間かかる。それで安心して走れる距離は100km程度であろう。
充電スタンドで急速充電できるようにすればよいとの試みもあるが、40分で充電するには300kW/h程度の充電能力が必要になる。数台の電気自動車を充電するためには、1000kW以上の受電設備が必要だろう。このような電力は専用の受電設備と資格をもった人間による保守も必要だろう。簡単に普及するとは思えない。もとは発電所の動力であり、「走るときにCO2をださない」かもしれないが、発電所の電力の半分以上は化石燃料を使っている。
電池に含まれる希少資源も半端な量ではないだろう。そして、電気自動車のモータの多くは希少金属を使う。アナログエンジニアは資源的に見れば、本当にはエコにならないと感じている。水素自動車も、水素の扱い方の難しさを知っているなら、手を出したくないシステムだろう。電気自動車に関連している人には申し訳ないが、はやりに目を奪われて、いろいろな側面から定量的に考えることが大切だ。特に影の部分も考えたいものだ。
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