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電子部品も劣化する要因が種々存在する。現在では、国産部品の信頼性レベルが向上したので、電子回路の死にざまを見る機会はかなり少ない。
アナログエンジニアはまだ部品の信頼性が十分でなかった1960年代後半から回路を作っているので、種々の部品の種種の故障モードに遭遇してきた。
当時の電子回路における有寿命部品の代表格はアルミ電解コンデンサであった。液漏れによる容量抜け、部分加熱による短寿命、漏液によるパターンの短絡などが生じた。近年でも、業界人なら多くの人が知っているが、電解液変更(3級アンモニウム塩→4級アンモニウム塩)による短寿命の問題があった。おそらく加速試験で想定したモードと異なる劣化モードがあったと考えている。
パワートランジスタのダイボンディング部の熱応力による疲労破壊もまだポテンシャルとしては残っているであろう。
固体絶縁部の劣化モードは主に部分放電による絶縁物の浸食も一つの要因である。これはばらつきの非常に大きな、かつ重大故障に繋がる故障モードであるが、作り込みは案外難しい。電子回路の場合、形状が複雑であるので、電界強度の正確な把握が難しい。
電子回路メーカーでは、加速信頼性試験を基に部品を選定しフィールドでの実績を基に、各社毎に部品メーカーを通常複数選んでいる。
電子部品の定格(電圧、電流、電力)を過渡的にも設計的に守ることは当然であるが、電子回路の普及には様々なな部品メーカの技術情報提供によって、高信頼設計が成立しているのである。そして、加速試験は万能ではないと感じている。
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