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【玉ノ井親方 視点】綱獲りを狙う霧島が想定外の黒星「翠富士スペシャルは分かっていても防げない」

[ 2024年1月17日 19:22 ]

大相撲初場所4日目 しろまる翠富士(肩透かし)霧島くろまる ( 2024年1月17日 東京・両国国技館 )

<初場所4日目>翠富士(右)に敗れた霧島(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

仕掛けてくると分かっていても、食ってしまうのが翠富士スペシャルの肩透かしだ。霧島はそれを警戒して、もろ手で相手の動きを見て慎重に立ったが、結果的にそれが良くなかった。

当たりが弱くなった分だけ、懐に入り込まれる隙を与えてしまった。

途中で前に出ながら右をさぐったものの、巻き替えられて再びもろ差しを許す。最後は右から投げを打たれ、上体が浮いたところを引き落とされるように肩透かしを決められた。

翠富士がうまいのは肩の使い方。相手の脇の下に自分の肩をはめ込むような態勢から、どんどん前に出ていく。小兵で体が柔らかいため、霧島のような大柄ではない力士の懐にも入り込みやすい利点も持っている。普段の稽古の時から、いろいろな相手を想定して考えて取っていることもあって、本番でもよく決まる。

お客さんもそれが分かっているから、決まると館内が沸く。翠富士スペシャルはまさにお金を取れる相撲だ。

綱獲りを狙う大関にとっては序盤で想定外の1敗になった。ただ、尾を引く内容ではない。立ち合いでしっかり当たっていれば、結果は違っていた。相手がうまかったと気持ちを切り替え、立ち合いの当たりに注意して取れば、まだまだ十分巻き返せる。(元大関・栃東)

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