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「どうする家康」最後のどうする「鯉の話」古沢マジックにネット驚愕「伏線回収の鬼」本能寺&辞世の句も

[ 2023年12月28日 11:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」最終回(第48話)。織田信長から徳川家康に贈られた3匹の鯉は...(C)NHK
Photo By 提供写真

嵐の松本潤(40)が主演を務めたNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は今月17日、15分拡大で最終回(第48話)が放送され、完結した。話題のシーンを振り返る。

<(注記)以下、ネタバレ有>

「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛けた大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描いた。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となった。

最終回は「神の君へ」。徳川VS豊臣の最終決戦「大坂夏の陣」(慶長20年、1615年)、徳川家康の臨終が描かれた。

元和2年(1616年)4月17日。病床にある徳川家康(松本潤)の眼前に瀬名(有村架純)と松平信康(細田佳央太)が現れ...時は永禄10年(1567年)、信康と五徳の祝言が脳裏によみがえる。家康がまだ「白兎」だった頃、のちに思い出し笑いしてしまう「鯉の話」が生まれた日――。

「鯉の話」は第24話「築山に集え!」(6月25日)と第36話「於愛日記」(9月24日)、そして最終回冒頭、阿茶局(松本若菜)が出陣前の家康に「1つだけ、よろしければ、あのお話をお聞かせ願いとうございます」「鯉。魚の鯉のお話でございます」と尋ねたが、3回とも前振りのみ。ついに中身が明らかになった。

幼き信康(寺嶋眞秀)と五徳(松岡夏輝)が祝言を挙げる日。数日前、織田信長(岡田准一)自ら選んだ3匹の鯉を、木下藤吉郎(ムロツヨシ)が届けた。織田・徳川両家の絆と繁栄の証しとして、1匹は信長、1匹は家康、1匹は信康を表している。

その鯉が夜のうちに3匹とも姿を消し、魚の骨が見つかる。一体、誰が食べたのか。信長の耳に入れば...。岡崎城は大騒動。家康による犯人探しが始まった。

鯉に目がない鳥居忠吉(イッセー尾形)が最も怪しい。家康は刀を振りかぶる。最後の"どうする、家康"――。「大事な家臣を、鯉と引き換えにはできぬ」「鯉は所詮、鯉じゃ。食うて何が悪い」。しかし、すべては家臣団の戯れ。信長の岡崎入りも嘘だった。家臣団は最初から家康が忠吉を手打ちにしないと信じていた。本多忠勝(平八郎)(山田裕貴)は「皆、よう分かっておるのでござる。殿というお人を、そのお心を」――。

家臣団1人1人が礼を述べる。家康は「こちらこそじゃ。心より、感謝申し上げる」「わしは、幸せ者じゃな」と感涙。その思い出とともに、人生の終幕を迎えた。

家康が夏目広次(甲本雅裕)の名前を間違い続けるなど、大河でも視聴者を幻惑、魅了し続けてきた"古沢マジック"が最後の最後も炸裂した。「岡崎時代に戻る終わり方にして、この作品本来のテイスト、本来の家康に戻して幕を閉じようと(笑)」。狸や神君と畏れられた家康の"本当の姿"の集大成となった「鯉のエピソード」は、講談「鈴木久三郎 鯉の御意見」にもなっている逸話(江戸中期の兵法家・大道寺友山の著書「岩淵夜話」)を見事にアレンジした。

恐ろしい相手(信長)からの贈り物ならば、鯉1匹と家臣1人、どちらが大切かも分からなくなる、という"忠臣・久三郎の諫言"。数々の歴史小説を生んだ作家・山岡荘八のベストセラー「徳川家康」(全26巻)第4巻「葦かびの巻」にも登場し、同作を原作とした83年の大河においては石川数正(江原真二郎)の諫言(第11回「興亡の城」)として描かれた。

鯉といえば、第27話「安土城の決闘」(7月16日)にも登場。家康を安土城に招いた酒宴。明智光秀(酒向芳)は"天下一の淀の鯉"を自信満々に出したものの、臭いをかいだ家康は首をひねり、口をつけない。不手際に激高した信長から激しく折檻され、饗応役を解かれた。

SNS上には「いつぞやの鯉の話。ここで明かされるとはw」「伏線回収の鬼かよ」「最後の最後に、鯉の話の結末とは」「鯉で信長は暗殺され、鯉で家康は信頼される、と」「祝言でみんなで食べるおいしい鯉と、本能寺の変へとつながる光秀が家康に出した腐った鯉。何という対比」「この鯉騒動も元ネタがあったとは驚きw」「鯉のシーンは、時間を埋めるための寸劇じゃない。むしろ、あのために他を端折っているのだ。ドラマ的というより、小説的・漫画的な仕掛けのため評価は分かれるが、考えれば考えるほどよくできていると思う」などと驚きの声が相次いだ。

家康の辞世の句として伝わる「嬉しやと 二度(ふたたび)さめて 一眠り 浮世の夢は 暁の空」と重ね「1度目は瀬名と信康の夢、2度目は家臣たちと鯉の夢。なるほどなぁ」「まさに辞世の句のような家康の最期。孤独な姿は悲しいけれど、よくぞここまで重たいものを背負って生きてくれました。夢のような幸せな日の姿は、家康の本心かな」などの声も上がった。

メーンテーマのタイトルは「暁の空」だった。

総集編(4章構成)は今月29日(後1・05〜5・49)に放送される。

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