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【特別連載】指名漏れ大経大・柴崎「ここに来てよかった」大学で打撃開花の真相、卒業後は王子へ

[ 2024年12月30日 07:00 ]

卒業後は王子に入社してプロ入りを目指す大経大・柴崎(撮影・河合 洋介)
Photo By スポニチ

今秋のドラフト会議では育成を含む123人が指名を受けた。脚光を浴びた選手たちとは対照的に、プロ志望届を提出しながら指名漏れを味わい、涙をのんだ好選手も数多くいた。スポニチでは、夢を諦めずに数年後の吉報を目指す選手に迫る連載「夢をかなえるまでは――」を始動。第2回は、俊足強打の外野手として注目を集めた大経大・柴崎聖人(4年)に迫る。

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ドラフト指名なしが驚きを持って伝えられるほどに、走攻守三拍子そろった外野手として前評判が高かった。その周囲の動揺とは裏腹に、大経大の柴崎は「力がなかっただけ。2年後を目指せばいい」と吹っ切れていた。

関西六大学連盟史上15人目のリーグ戦通算100安打を達成した左の強打者だ。ただし、大学進学時は「プロなんて手が届かない」と自身の才能に気が付いていなかった。2年春にベストナインを受賞、3年春には同リーグ代表として出場した関西5リーグ対抗戦で本塁打を放つなど活躍。「5リーグ対抗戦がプロを目指すきっかけになりました。それまではプロを目指せるレベルとは思っていなかったので...」。スカウトの熱視線に気付かずに、ただひたすらに打撃を磨いてきたのだ。

侍ジャパンなどでコーチを歴任した高代延博監督との出会いが打撃を花開かせた。「ここに来てよかったことは、監督の指導を受けられたこと」。入学時はコーチ、3年春からは監督として指導を受けた。苦手なタイミングの取り方を克服すべく、4年秋にノーステップ打法を提案された。「プロに行くために長打が必要と思っていたので心配でした。だけど、監督を信じてみようと思いました」。結果は2本塁打(リーグ2位)、15打点(同1位)の大当たり。立派な集大成を飾った。

高代監督は、柴崎への指導になると熱さが増した。「僕は覚えが悪くて、本当にいろいろと言われてきましたね...」。ただし、その厳しさこそ期待の裏返し。同監督が取材のたびに「なかなかいないような素質を持っている。プロでやっていけるポテンシャルはあるよ」などと褒めていたのは、リップサービスではなく本音だった。

卒業後は王子への入社が内定している。「肩と足には自信があるので、より打撃を伸ばしたい。2年後に上位で呼ばれるように準備していきます」。高代監督は体調不良で今秋終盤の試合を指揮できず、大学最後の勇姿を見てもらうことができなかった。恩師への恩返しは、2年後に上位指名をかなえるまで続く。 (河合 洋介)

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