ぜん息などの情報館
【知識編】在宅人工呼吸療法とは
「在宅人工呼吸療法」とは何ですか?
COPD の症状が進むと、呼吸する力が弱くなり(肺胞低換気)、酸素不足になるだけではなく、二酸化炭素も十分吐ききれなくなり、体にたまってしまいます。
こうなると、在宅酸素療法で酸素を補うだけでは不十分で、過剰な二酸化炭素を排出する必要が生じます。
そこで、在宅人工呼吸療法では、機器を使って呼吸の補助をおこない、過剰にたまった二酸化炭素を排出し、酸素の取り込みを促します。
NPPVとTPPV
- 在宅人工呼吸療法には、マスクを使用して実施する方法(NPPV)と、気管切開をして実施する方法(TPPV)があります。
- 導入時の二酸化炭素のめやすは疾患により、またNPPV かTPPV かによって異なりますので、医師とよく相談しましょう。
- 二酸化炭素の数値が平常よりも高くなるような増悪入院を繰り返す場合も導入を考慮します。
種類 |
[画像:NPPV] |
[画像:TPPV] |
病気 |
- COPD、肺結核後遺症、間質性肺炎などの呼吸器疾患や神経・筋肉の病気
|
|
開始時期 |
- 頭が重い感じや昼間の眠気などの症状、顔や足にむくみ(心臓に負担がかかっている状態)がみられる場合など
|
|
ポイント |
- 在宅人工呼吸療法の約80%を占める
- マスクを使用するのでTPPVより簡便で容易
|
|
留意点 |
- 二酸化炭素を低下させる効果はTPPV に劣ることがある
|
- 声が出しにくくなり会話が困難になる、痰などの分泌物の吸引や気管チューブ、気管切開部の管理が必要になる
|
※(注記)NPPVとTPPV は医師の判断により導入できない場合があります。
目次