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日本オペレーションズ・リサーチ学会50年の歩み
日本学術会議と日本OR学会の活動
日本オペレーションズ・リサーチ学会は,ORという新しい分野の開拓と同時に学会の公的地位の向上と,この分野の研究に対する公的補助の門戸拡大を願って,日本学術会議にORなどの新しい学術分野枠を設置することと,文部省科学研究費補助金審査の,分野に該当する分科細目の開設を運動してきた.そのため,日本OR学会は,第13期から改革を予定されていた日本学術会議に日本経営工学会,日本品質管理学会等と共同で新しい活動の場を獲得すべく,この準備のため頻繁に会合をもっていた.そして,これをもとに上記3学会は1984年6月に
経営工学関連学会協議会(FMES=Japanese Federation of Managerial Engineering Societies)
を結成した.その目的とするところは
1)公的機関に対する共同課題の取り組み
2)研究の共同
3)研究発表,講演等の共催
4)組織の親交
5)その他
である.
一方,当時の日本学術会議杉本正雄第5部長などへの陳情活動の結果,同氏が世話人となって,1984年10月17日の総会において,第12期の延長期間の間,日本学術会議第5部に
「経営工学研究連絡委員会」(英語名:National Committee for Managirial Engineering)
が設置され,さし当たって,上記3学会から推薦され,学術会議から委嘱された委員が関連する各種の活動に当たることになった.
1985年10月,日本学術会議が再発足した第13期から,第5部に「経営工学研究連絡委員会」が設置された.この委員会の主な役割は,学術会議会員1名を推薦することと,この委員会に委員を送っている各学会の研究活動を活発にするために,各学会及び学術会議と連絡して,学術会議を支えるための諸活動をすることである.研究連絡委員会の委員は学術会議の準会員にも擬せられる性格のものとも言われている.当委員会の主な具体的活動は,すなわち,
1)「経営工学」関連学会群から学術会議会員候補者1名の推薦
2)「特定研究」(現重点領域研究)の申請
3) 文部省科学研究費補助金審査員の推薦
4)「経営工学」シンポジウムの開催
5) 「経営工学」の動向と役割に関する報告書の作成
6) その他
であり,活動のいくつか,特に「経営工学」シンポジウムの開催については,FMESの全面的なバックアップをうけることになった.
こうして,「経営工学研究連絡委員会」は日本学術会議が期を重ねるごとに,新たに構成学会を加え,構成委員を改めて活動を続けた.その概要は次の通りである.
「経営工学研究連絡委員会」の構成と活動
第12期後半(1984年11月〜1985年7月18日)
主な活動
シンポジウム
第1回経営工学シンポジウム:
テーマ:「第3次経営技術改革」 1985年7月15日
場所:日本学術会議講堂
担当:JIMA
科研費特定研究の申請:「第3次経営技術革新」を申請;結果:不採択
第13期の会員推薦:近藤次郎氏(ORSJ)を推薦
(この期より研連に「開発工学会」が登録したため,推薦人会議構成員は4名)
第13期(1985年7月〜1988年7月)
主な活動
シンポジウム
第2回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「これからの経営技法−−開発と活用について」 1986年7月11日
場所:日本学術会議講堂
担当:JSQC
第3回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「経営工学のニューフロンティア−−社会・経済構造の変化に対応する経営工学の新しい展開」 1987年7月9日
場所:日本学術会議講堂
担当:JIMA
第4回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「21世紀の日本産業と経営工学」 1988年7月15日
場所:日本学術会議講堂および会議室(分科会)
担当:ORSJ
科研費特定研究の申請:
「高度技術社会のパースペクティブ」を申請(1988年3月)
第14期の会員推薦:近藤次郎(ORSJ)を推薦
第14期(1988年7月〜1991年7月)
主な活動
報告書:
「経営工学の体系化に向けて」
主査:佐久間章行 承認=1990年2月26日
シンポジウム
第5回経営工学シンポジウム:
テーマ:「企業のリストラクチャリングと経営工学の課題」 1989年7月14日
場所:日本学術会議講堂
担当:JSQC
第6回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「高度技術社会と経営工学」 1990年7月13日
場所:日本学術会議講堂
担当:JIMA
第7回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「国際化と経営工学」 1991年6月21日
場所:日本学術会議講堂
担当:ORSJ
科研費特定研究の申請:
第15期の会員推薦:近藤次郎(ORSJ)を推薦
第15期(1991年7月〜1994年7月)
主な活動
報告書:
「ソフト系科学技術の推進に向けて」---経営工学の立場から---
主査=真壁 肇 学術会議承認: 1994年2月24日
シンポジウム
第8回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「人と経営工学」 1992年6月19日
場所:日本学術会議講堂
担当:JSQC
第9回経営工学シンポジウム:
テーマ:「教育革新と経営工学−21世紀の人材育成へ向けて−」 1993年6月18日
場所:日本学術会議講堂
担当:JIMA
第10回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「社会品質と生産文化」 1994年7月8日
場所:日本学術会議講堂
担当:JSQC
科研費特定研究の申請:
第16期の会員推薦:大島栄次(委員長,SOPE)
第16期(1994年7月〜1997年7月)
主な活動
第11回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「グローバリゼーションにおける経営工学の役割」 1995年6月30日
場所:日本学術会議講堂
担当:ORSJ,実行委員長:伏見正則
第12回 経営工学シンポジウム:
テーマ:「グローバリゼーションにおける生産と社会」 1996年6月28日
場所:日本学術会議講堂
担当:JIMA,実行委員長:佐久間章行
第13回経営工学シンポジウム:
テーマ:「ネットワーク時代の新しい文化---経営工学をとりまく新しい環境」 1997年6月27日
場所:日本科学技術連盟 東高円寺ビル
担当:JSQC,実行委員長:当麻喜弘
報告書:
「グローバリゼーションと経営工学の役割」
学術会議承認:1997年6月20日
主査=大島栄次
科研費特定研究の申請:
第17期日本学術会議会員の推薦:久米 均(JSQC)
第17期(1997年7月〜2000年7月)
主な活動
経営管理工学専門委員会 第14回シンポジウム 開催日1998年9月7日
テーマ:「ビッグバンと経営(工学)」
場所:日本科学技術連盟 東高円寺ビル
担当:ORSJ 実行委員長:今野 浩
第15回シンポジウム 開催日 1999年7月1日
テーマ:「エンジニア資格制度と経営工学」
場所:早稲田大学・大隈小講堂
担当:JSQC 実行委員長:吉澤 正
第16回シンポジウム 開催日 2000年6月15日
テーマ:「サービス産業・公益事業と経営工学」
場所:早稲田大学・大隈小講堂
担当:SOPE-J 実行委員長:熊谷智徳
○しろまる報告書作成
「経営工学からみたエンジニア資格制度と教育認定制度」
主査 高橋幸雄 学術会議報告 2001年3月27日
元経営工学研連委員 柳井 浩
参考文献
[1]真壁 肇「日本品質管理学会と経営工学研究連絡委員会の活動」品質Vol.22.No.3
第18期 (2000年7月〜2003年7月)
日本技術者教育認定機構(JABEE)が発足したことに伴い,FMESとしての参加を検討するため,委員会を設置した.2000年1月から数回の委員会を開催し,10月31日の会議にて,FMESが幹事学会となって,経営工学分野のプログラムの審査を担当,当面構成7学会でJABEEに加盟することとした.2001年2月経営情報学会,プロジェクトマネジメント学会を加えて,FMESの再立ち上げを行い,以降,FMES内に構成9学会によるFMES/JABEE委員会を設置した.
事務は当初,JIMA事務局が担当したが,2002年8月からORSJ事務局が担当することとなった.
主な活動
○しろまるシンポジウム関係
第17回シンポジウム 開催日 2001年6月15日
テーマ:「ビジネスモデル特許の行方」
場所:工学院大学 第5会議室(11階)
担当:JDES 実行委員長:柳田博明
第18回シンポジウム 開催日 2002年5月17日
テーマ:「はじまったJABEE審査〜経営工学関連分野における取り組み〜」
場所:青山学院大学
担当:JIMA 実行委員長 太田 宏
シンポジウム実行委員会 これまでの学会に加え,経営情報学会,プロジェクトマネジメント学会が参加し,構成学会は9学会となる.
第19回シンポジウム 開催日 2003年12月5日
テーマ:「経営工学と企業の社会的責任」
場所:日本学術会議 講堂
担当:プロジェクトマネジメント学会 実行委員長:河合輝欣
○しろまるFMES/JABEE委員会
委員長 渡辺一衛(JIMA),審査委員長 棟近雅彦(JSQC)
各学会から2名のメンバー 年7回の委員会開催.
2001年度 早稲田大学,鳥取大学の試行審査
2002年度 金沢工大,神奈川大学の試行審査
○しろまる報告書作成
「経営工学分野のための教育認定制度とエンジニア資格制度」
主査:渡辺一衛,学術会議報告 2003年7月15日
第19期 (2003年7月〜2005年9月)
行政改革の一環として,学術会議の機構が変更されることとなり,この期は2年余となった.
主な活動
○しろまるシンポジウム実行委員会
第20回シンポジウム 開催日 2004年7月9日
テーマ:「経営戦略とリスクマネジメント」
場所:日本学術会議 講堂
担当:ORSJ,実行委員長 今野 浩
第21回シンポジウム 開催日 2005年6月3日
テーマ:「世界のMOT,日本のMOT」
場所:日本学術会議 講堂
担当:JSSPRM,平沢 冷実行委員長
○しろまるFMES/JABEE委員会
2003年度からJABEEの経営工学関連分野の本格審査が開始された.
2003年度 早稲田大学,鳥取大学の審査
2004年度 神奈川大学の審査
2005年度 鳥取大学の審査
2004年度から委員長 伊地知寛博(JSSPRM)が就任
2005年度から審査委員長 平川保博(JIMA)が就任
○しろまる 報告書作成
「経営工学分野の業績評価について」
主査 圓川隆夫(JSQC)2005年
第20期(2005年10月〜
日本学術会議の大幅改組により,研究連絡委員会および専門委員会制度は廃止され,これに伴い経営工学研究連絡委員会および経営管理工学専門委員会も終了した.これまでの学協会はそれぞれ日本学術会議の協力学術研究団体へ再登録することとなった.
FMESでは,これまで日本学術会議会員がFMESの会長を務めていたが,日本学術会議との連携関係が変化したことから,FMESの規約改正を行い,各学協会からFMES代表委員を選出し,互選により,FMES会長を選ぶこととなった.2005年10月〜2006年3月までは暫定的に久米均委員長がFMES会長を務めた.
2006年4月からは新規約に従い,FMES代表者会議で,各学会FMES代表委員の互選により高橋幸雄(ORSJ)がFMES会長に選出された.
また,2006年8月には日本学術会議の総合工学分野の連携会員として,高橋幸雄(ORSJ), 圓川隆夫(JSQC),向殿政男(REAJ),久米均(JSQC)の4名が選任された.
FMESの事務は2005年6月からJSQC事務局が担当
主な活動
○しろまる シンポジウム実行委員会
第22回シンポジウム 開催日 2006年6月30日
テーマ:「デジタル・エンジニアリングと経営工学」
場所:日本学術会議 講堂
担当:JSQC 実行委員長 桜井正光
○しろまるFMES/JABEE委員会
2006年度 神奈川大学の審査
2006年度から委員長 大滝 厚(JSQC)が就任
18期以降はOR事典改訂に伴って増補された。(2007/2)