加藤 出

東短リサーチ代表取締役社長

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007〜2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。

MMTが主流にならない理由を「ストーンズの名曲」で読み解く

2019年10月24日

MMTが主流にならない理由を「ストーンズの名曲」で読み解く

「いつも欲しいものが手に入るわけじゃない」──。英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」が1969年にリリースした「You Can? tAlways Get What You Want」(邦題「無情の世界」)において、ボーカルのミック・ジャガー氏はそのフレーズを切...

日銀のマイナス金利深掘りが「再増税」リスクを高める理由

2019年10月17日

日銀のマイナス金利深掘りが「再増税」リスクを高める理由

欧州と日本はブラックホール的な金融政策を実施している」米ハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は、英紙「フィナンシャル・タイムズ」への最近の寄稿で、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行が実施しているマイナス金利政策の効果に対して、そ...

人口動態で決まる世界情勢覇権国家や経済成長に外交まで

2019年10月10日

人口動態で決まる世界情勢覇権国家や経済成長に外交まで

「この数世紀にわたって、資本主義を支えてきた経済成長の多くは、実際には、若者を中心とするより多くの人口によってより多くが消費された結果にすぎなかったのかもしれない」。米国の作家・投資家のザチャラー・カラベル氏は、米外交専門誌「フォ...

ドラギECB総裁が追加緩和で「ドラキュラ伯爵」とされた理由

2019年9月26日

ドラギECB総裁が追加緩和で「ドラキュラ伯爵」とされた理由

独大衆紙「ビルト」は、ドラキュラ伯爵に引っ掛けて欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁がマント姿で2本の牙をむく合成写真を載せた(9月13日)。「ドラギ伯爵はわれわれの口座が空になるまで吸い続ける。彼の任期中にわれわれは何十億ユー...

キャッシュレス化によって「ステルス値上げ」が進む理由

2019年9月19日

キャッシュレス化によって「ステルス値上げ」が進む理由

米国の小売店や飲食店での支払いにおけるキャッシュレス化は、クレジットカードかデビットカードが主流になっている。非接触型のアップルペイ、グーグルペイを使っている人も一部いるが、日本で増えてきたQRコード式の支払いを店舗のレジで見掛け...

「トランプとナバロ」の関係が世界経済の今後を占う鍵となる

2019年9月12日

「トランプとナバロ」の関係が世界経済の今後を占う鍵となる

「貿易戦争は良いことだ。勝つのは簡単だ」「私はタリフ(関税)マンだ」。ドナルド・トランプ米大統領は中国などとの貿易戦争を本格化させ始めた際にそう語った。しかし、中国は彼が当初期待したような反応を全く見せてくれない。

「英王室御用達」企業も延命?超低金利への逆流でリスク蓄積

2019年9月5日

「英王室御用達」企業も延命?超低金利への逆流でリスク蓄積

英ビクトリアは、120年以上の歴史を持つ王室御用達のカーペット製造会社である。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の際に敷かれたレッドカーペットも同社が手掛けたものだ。このビクトリアが昨年社債を市場で発行して資金調達を行おうとした。...

「こんまりブーム」と所得格差で米ミレニアル世代の消費が変化

2019年8月1日

「こんまりブーム」と所得格差で米ミレニアル世代の消費が変化

GAPやH&M、フォーエバー21などファストファッションの販売が米国で近年苦戦している。以前の若い世代は、はやりのデザインを取り入れたファストファッションの服を気軽に購入していた。1〜2シーズン着て飽きが来たら新しいものを買うので、作...

「弱い経済指標」を期待する奇妙な市場の空気に要注意

2019年7月18日

「弱い経済指標」を期待する奇妙な市場の空気に要注意

7月5日の朝に筆者は、米ワシントンのホテルでテレビの経済番組を見ていた。6月の非農業雇用者数の発表が生中継で行われようとしていた。市場予想を大幅に上回る数字が飛び出し、米経済はまだ失速には至っていないことが示されたが、テレビ画面内の...

ルパン三世の映画でも「活躍」 紙幣印刷技術の意外な重要性

2019年7月4日

ルパン三世の映画でも「活躍」 紙幣印刷技術の意外な重要性

映画「ルパン三世:カリオストロの城」では、世界で一番小さい国連加盟国という設定のカリオストロ公国がひそかに偽札製造を請け負っているという設定だった。映画のような偽札製造ではないが、多数の国から紙幣の印刷を受託している民間紙幣印刷会...

「金融政策の勝利」は嘘だった?インフレ率2%は歴史の常ならず

2019年6月13日

「金融政策の勝利」は嘘だった?インフレ率2%は歴史の常ならず

1980年代初頭に13%以上だった先進国の平均インフレ率は、90年代後半から世界金融危機までの間は2%前後で推移した。これを「金融政策の勝利」と評する声が従来は多かった。しかし、ここにきて「中央銀行はインフレを2%前後でコントロールできる」...

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