なぜか嫌われないリーダーがやっている、たった1つのこと
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リーダーがもつべきは愛情と感謝
飯島さんと小島さんという、2人の大手商社トップを通じて私が学んだのは、本当に大きな仕事を成し遂げるリーダーは敵をつくらないようにしているし、それ以前に、まわりの人に対する愛情や感謝を忘れないということです。
私は、田中元総理にはお会いしたことがありませんが、元秘書官だったという方から当時のエピソードを伺ったところ、田中元総理もおそらく愛情に溢れた方だったのだろうと感じました。
総理大臣や商社のトップともなれば、トップリーダーになるまでの過程で、すでに数々の修羅場や苦労を経ているでしょうが、若くして起業した創業社長などは、組織の成長とともに、自身もリーダーとして成長していくケースが多いように思います。
たとえば、新卒採用支援事業などを展開する株式会社パフ(本社 東京都)の代表取締役社長・釘崎清秀さんも、そんなリーダーのお1人かもしれません。
一時期、同社の業績が伸び悩んでいたころ、あるコンサルタント会社に、社員全員と面談をしてもらったそうです。
「現場の率直な考えを知りたい」という釘崎さんの思いから実施した面談でしたが、なんと8割くらいの社員が「社長がわかっていない、話を聞いてくれない」と釘崎さんへの不満を口にしたという結果が届きました。
社員とのコミュニケーションを日ごろから意識し、現場ともわかり合えていると思っていたのに、批判の嵐に突然直面した釘崎さんは、ナイフで胸をえぐられたような気持ちになり、しばし立ち直れなかったといいます。
それでもなんとか気持ちを立て直し、その翌日から社員1人ずつと自ら面談することを決意しました。話している最中もずっと、「この社員も自分のことを嫌っているんだろうか......」と考えてしまい、不安は相当のものだったそうです。それでも、これを機会に改めて現場と真摯に向き合ったことで、同社の業績は回復していきました。
先輩経営者たちから「社員は社長の心の鏡だ」「社長が意識を変えるだけで、組織は変わる」というアドバイスをいただくことがよくあります。
それは、まさに真実。
どこかでメンバーを信じていなかったり、見下したりしていると、メンバーのほうも同じようにリーダーに不信感を持ったり軽蔑したりするようになります。
一方、現場を尊重するように意識を変えると、リーダーに対する態度も変わってくるのです。
なぜいま、内向的で、心配性で、臆病で、繊細であることが、よいリーダーの共通点なのか? ビジョンによって人を動かす「静かなリーダーシップ」を通じて、自己躍動するチームをつくる秘訣とは? 1000人以上の社長に取材してきた著者が語る「次世代リーダー」へのエッセンス!!