リーダーの「唯一・最強」の仕事道具とは?
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1000人以上の経営者へのインタビューを15年近く続けてきた藤沢久美氏の最新刊『最高のリーダーは何もしない』。
前回まで、考え抜いたビジョンをメンバーに浸透させる方法を述べてきたが、今回は、リーダーが生み出したテクニックを紹介しよう。リーダーが発する言葉の重要性にも触れる。
「ビジョンの語り手」
としての新人教育担当
最近は、幹部や管理職がトップと合宿をするだけではなく、社員旅行や社員集会、運動会など、社長以下全社員が一堂に会すイベントを実施する会社も増えてきているようです。
しかし、やはりイベントは一過性のもの。そのときに心が動いても、日常業務に身を置いていると、イベントで得られた共感や感動も薄れていくものです。ですから、業務そのもののなかで、メンバーがビジョンを実感する機会をつくることも大切です。
たとえば、メンバーに新入社員や後輩の教育を担当してもらうというのも、いい方法です。新人などに向けて会社やチームのビジョンを自ら語る機会をつくることで、当人のなかにも納得感が生まれていくからです。
「うちの会社は○しろまる○しろまるな会社なんだよ」
「私たちの部署というのは○しろまる○しろまるのためにあるんだ」
そうやって後輩社員に説明しているうちに、「そうだ。もっと○しろまる○しろまるな会社にするには、ここを工夫できるんじゃないか?」「目先のことを考えるとAだが、『○しろまる○しろまるする部署』というビジョンに照らせばBを選ぶべきかもなあ......」といった気づきが、教育係になったメンバーのなかに生まれていきます。
現場で売上目標を持ちながら働くメンバーからすれば、「ビジョンなんて言っていても、なかなか現実は厳しいよ」「こんな理想ばかりじゃやっていけない!」と言いたくなることもあるでしょう。
メンバーに新人教育を担当してもらい、ビジョンを意識する機会をつくれば、実務とのあいだに感じる矛盾の解消にもつながります。
なぜいま、内向的で、心配性で、臆病で、繊細であることが、よいリーダーの共通点なのか? ビジョンによって人を動かす「静かなリーダーシップ」を通じて、自己躍動するチームをつくる秘訣とは? 1000人以上の社長に取材してきた著者が語る「次世代リーダー」へのエッセンス!!