「年のわりに若い人」は何が違うのか?最新「ライフサイエンス」研究で分かってきたこと
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「ウェルビーイング」は、1948年の世界保険機関(WHO)設立の際に考案された憲章で、初めて使われた言葉だ。「幸福で肉体的、精神的、社会的全てにおいて満たされた状態」をいう。新しい幸せの形として用いられ、最近さまざまな場面で耳にすることが多くなった。『ウェルビーイングの新潮流』第9回では、「ライフサイエンス」分野の研究をみながら、心身共に健康に年を重ねていくとはどういうことかを考える。(インテグレート代表取締役CEO 藤田康人)
世界的に延びている平均寿命
老化が「病気」になりつつある
日本人の平均寿命が3年ぶりに延びました。厚生労働省のまとめによれば、2023年の日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性が81.09歳で、男女とも前年より2週間ほど長くなっています。
国別の順位で見ると、女性は39年連続で世界1位となり、男性は5位でした。日本が長寿大国といわれて久しくなりますが、近年では100歳を超える「センチナリアン(センテナリアン)」も急増しており、20年には8万人を突破しました。さらに、110歳を超える「スーパーセンチナリアン」も今後増えると言われています。
平均寿命が延びているのは日本だけでなく、先進国、新興国ともに世界的な傾向です。長寿が達成されれば、次に注目されるのはその状態です。心身共に健康でウェルビーイングに年を重ねていくことが重要になります。
長寿研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア博士が、自著『LIFESPAN 老いなき世界』の中で唱えた仮説に、「老化は人間の運命ではなく『病気』であり、治すことができる。」という一節があります。病気ということは、治したり、予防したりすることができるということです。
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