花王が「連続増配日本一」でも株価失速、配当と株価のダブル上昇を見込める70社リスト
詳細はこちら
高い配当利回りや連続増配だけに注目するのは危険だ。収益が大きく落ち込めば減配や無配転落の可能性もあるからだ。そこで注目したいのが、配当を年々増やしながら、売上高や利益も安定成長している企業だ。特集『今仕込みたい「強い株」』(全15回)の#12では、配当増と株価上昇の一挙両得を狙える企業リストを発表する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
連続増配トップの花王や高利回りJTも失速
「配当」だけで選ぶと想定外の損失も
「32期連続増配の花王の株価が3年で32%下落」――。
株式投資の利益には、値上がり益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)がある。日本企業も株主還元を重視するようになり、配当利回りの高い銘柄が増えてきた。だが、配当狙いであっても「利回りの高さ」や「増配実績」だけで選ぶのは避けた方がいい。
なぜならば、高配当株の中には業績悪化により株価が下落し、結果として配当利回りが上昇しているケースが少なくない。また、増配を続けていても、業績が伸び悩めば株価は大きく調整する。
例えば、連続増配の日本最長記録を持ち、今期も32年連続増配を見込む花王も、ここ3年間は株価が低迷している。2018年10月に9387円の高値を付けたが、直近の株価は6314円(21年11月12日終値)。実に3年間で32%も下落した。
その間の1株当たりの受取配当金の合計は402円になるが、株価下落による損失の方が圧倒的に大きい。同期間の日経平均株価は24%も上昇しており、相場環境は良好だったにもかかわらず、キャピタルゲインとインカムゲインの合計の投資成績は大きくマイナスになっている。
花王はESG(環境・社会・ガバナンス)評価が高く、担当アナリストほぼ全員が「強気」推奨する企業である。優良企業であることは間違いないだろうが、数字を見ると、この5年程度は売上高が伸びていない。昨年はコロナ禍でインバウンド消滅という要因もあったが、直近四半期も2桁減益となっている。
高配当株も同様である。高利回り株の代表格だったJTは、業績が落ち込んだことで、株価は5年前の半値水準で推移している。
これらの教訓から学べることは、配当目的でも業績が落ち込んでいる企業への投資は危険ということだ。
では中長期で高配当を享受でき、株価の上昇も狙える銘柄はどうやって選べばいいのだろうか。次ページでスクリーニングの方法と増配成長候補70銘柄を一挙に紹介する。
記事一覧
今こそ仕込みたい「強い株」を大分析!中間決算で見えた国内外500社超の業績格差
2021年11月15日
#1「資源高で潤う企業」上位50社リスト!INPEX、コマツ、丸紅...
2021年11月15日
#2海外投資家が狙う日本企業は「あれ」が改善し続けていた!対象銘柄68選を開陳
2021年11月15日
#3「ドル円相場と株価」の連動性が高い企業ランキング【全50社】2位ホンダ、1位は?
2021年11月16日
#4J-REITの「増資ラッシュ」を絶対見逃してはダメな理由、オフィス・物流の注目6銘柄は?
2021年11月16日
#5No.1為替アナリストが徹底解説!円が「50年ぶり安値圏」に沈む理由&注目の資源国通貨
2021年11月17日
#6平均年収が「5年で100万円超増えた」大企業ランキング【全60社】 2位アサヒ、1位は?
2021年11月17日
#7米国株「プロ厳選」の成長期待24銘柄!半導体・大型株・高配当が3大キーワード
2021年11月18日
#8三井不動産、鳥貴族...コロナ敗者からの「復活期待14銘柄」の業績を徹底予測
2021年11月18日
#9東京エレクトロン、レーザーテック...絶好調の半導体業界でも2022年は要注意の理由
2021年11月19日
#10株価10倍「テンバガー」を狙える超成長期待の厳選60銘柄!ビザスク、チェンジ...
2021年11月19日
#11来期も増益予想の「上方修正期待度が高い」企業ランキング【全50社】
2021年11月20日
#12花王が「連続増配日本一」でも株価失速、配当と株価のダブル上昇を見込める70社リスト
2021年11月21日
#13野村総研、オービック...ITベンダー「淘汰」の予兆と中間決算の格差を大分析!
2021年11月22日
#14中間決算でコロナ後の「勝ち組企業の条件」が見えた!二極化する企業業績を徹底分析
2021年11月23日
#15三菱商事、日本郵船、村田製作所...有力30社最新決算のアナリスト分析を一挙公開
2021年11月24日
あなたにおすすめ