No.1為替アナリストが徹底解説!円が「50年ぶり安値圏」に沈む理由&注目の資源国通貨

ダイヤモンド編集部
有料会員限定
記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Xでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア
今仕込みたい「強い株」#5Photo:Yuichiro Chino/gettyimages

このところ円安・ドル高傾向の中で関心が集まる為替相場。特集『今仕込みたい「強い株」』(全15回)の#5では、ナンバーワン為替アナリストとして知られるJPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長の分析を基に、円が「50年ぶりの安値圏」に沈む理由や今後のドル円相場の見通し、資源高の中で注目すべき資源国通貨までを解説する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

実質実効レートで見ると
ほぼ半世紀ぶりの円安水準

円の通貨の価値が今、「約50年ぶりの安値圏」という歴史的な水準にあることをご存じだろうか。

足元の円相場は1ドル=114円近辺で推移し、年初と比べて10円ほど円安・ドル高の水準。確かに円安傾向だが、冒頭の記録的な水準となっているのは、ニュースなどで日常的に目にする「名目レート」のことではない。貿易量や物価水準などを基にした「実質実効レート」という指数で見た場合の話だ。

図表:円の実質実効レートの推移
拡大画像表示

上図の通り、足元の円の実質実効レートは、過去20〜30年の平均ラインを大きく下回っている。そして、2015年6月には1970年代前半以来となる低水準を付けていたが、直近はそれにあとわずかというレベルに迫る低さとなっているのだ。

名目レートでは、例えばドルと円など特定の二つの通貨を比べ、「1ドル当たりしろまる円」といった形で、その時々の投資マネーの需給なども反映しながら値動きが形成される。一方、2通貨間の為替レートの動きを見ているだけでは捉え切れない、いわば世界中の通貨における相対的な実力を示すのが実質実効レートだ。

次ページからは、円の価値がなぜ実質的に記録的な弱さとなっているのか、ドル円相場の名目レートの見通し、ドルや円以上に今後通貨価値の上昇が見込める有望な資源国通貨の存在と併せ、為替アナリストの佐々木融氏の分析を基に解説していく。

記事一覧

予告

今こそ仕込みたい「強い株」を大分析!中間決算で見えた国内外500社超の業績格差

2021年11月15日

#1

「資源高で潤う企業」上位50社リスト!INPEX、コマツ、丸紅...

2021年11月15日

#2

海外投資家が狙う日本企業は「あれ」が改善し続けていた!対象銘柄68選を開陳

2021年11月15日

#3

「ドル円相場と株価」の連動性が高い企業ランキング【全50社】2位ホンダ、1位は?

2021年11月16日

#4

J-REITの「増資ラッシュ」を絶対見逃してはダメな理由、オフィス・物流の注目6銘柄は?

2021年11月16日

#5

No.1為替アナリストが徹底解説!円が「50年ぶり安値圏」に沈む理由&注目の資源国通貨

2021年11月17日

#6

平均年収が「5年で100万円超増えた」大企業ランキング【全60社】 2位アサヒ、1位は?

2021年11月17日

#7

米国株「プロ厳選」の成長期待24銘柄!半導体・大型株・高配当が3大キーワード

2021年11月18日

#8

三井不動産、鳥貴族...コロナ敗者からの「復活期待14銘柄」の業績を徹底予測

2021年11月18日

#9

東京エレクトロン、レーザーテック...絶好調の半導体業界でも2022年は要注意の理由

2021年11月19日

#10

株価10倍「テンバガー」を狙える超成長期待の厳選60銘柄!ビザスク、チェンジ...

2021年11月19日

#11

来期も増益予想の「上方修正期待度が高い」企業ランキング【全50社】

2021年11月20日

#12

花王が「連続増配日本一」でも株価失速、配当と株価のダブル上昇を見込める70社リスト

2021年11月21日

#13

野村総研、オービック...ITベンダー「淘汰」の予兆と中間決算の格差を大分析!

2021年11月22日

#14

中間決算でコロナ後の「勝ち組企業の条件」が見えた!二極化する企業業績を徹底分析

2021年11月23日

#15

三菱商事、日本郵船、村田製作所...有力30社最新決算のアナリスト分析を一挙公開

2021年11月24日

あなたにおすすめ

特集

アクセスランキング

  • 最新
  • 昨日
  • 週間
  • 会員

最新記事

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /