日本男子プロゴルフツアー「失われた30年」、サントリーは撤退でZOZOは米ツアーへ
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かつて世界一の賞金総額を誇った日本男子プロゴルフツアーは、1990年代からトーナメント数が減少し、2019年には女子ツアーに賞金総額が抜かれるほど低迷にあえいでいる。特集『ゴルフ大全 ×ばつカネ』(全12回)の#8では、男子ツアーの「失われた30年」を振り返る。(ダイヤモンド編集部 野村聖子、堀内 亮)
AON時代の熱狂ぶりが消えた
男子プロゴルフツアー
関東七倶楽部の一つ、東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)の18番ホールは、大勢のギャラリーによって両脇がびっしりと埋め尽くされていた。
1988年の男子プロゴルフツアー「日本オープン」。青木功、尾崎将司、中嶋常幸の「AON」が最終日に優勝争いを繰り広げ、尾崎が青木、中嶋に1打差をつけて栄冠に輝いた。あの日の熱戦をテレビの前でくぎ付けになって観戦したゴルフファンも多かっただろう。
AONが一時代を築いた日本男子プロゴルフツアーは90年まで、米PGAツアー、欧州ツアーを上回る世界一の賞金総額を誇っていた。
80年代後半には海外メジャー通算8勝のトム・ワトソン(米国)をはじめ、欧州ツアー通算50勝のセベ・バレステロス(スペイン)やマスターズチャンピオンのフレッド・カプルス(米国)、ラリー・マイズ(米国)など、海外のビックネームがこぞって日本男子ツアーのトーナメントに出場した。
海外メジャーのチャンピオンが、はるばる日本にまでやって来るほど、高額の賞金はもちろん、日本男子ツアーは注目を集めていたのだ。ビッグネームと互角に争うAONら日本男子プロの姿に、当時のはやり言葉「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を重ね合わせたゴルフファンも少なくなかっただろう。
あれから30年以上が過ぎた。男子ツアー人気は影を潜め、すっかり主役の座を女子ツアーに奪われてしまっている。かつて世界一を誇った男子ツアーの賞金総額は、91年に世界一から陥落。2019年には女子ツアーに賞金総額が逆転されてしまったのだ。
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