日本を過剰な「コロナ自粛」に追い込んだ2つの原因
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新型コロナウイルスの影響により、3月に入ってから日本経済が完全に沈滞してしまいました。日本全国で、宴会シーズンなのに飲食店では宴会のキャンセルが相次ぎ、ホテルは宿泊もラウンジもガラガラ。飛行機や新幹線の予約もキャンセルが多く、高速道路からも観光バスがなくなり空いています。
中国人観光客の大半が消えてしまったことに加え、安倍総理のイベント自粛要請と学校休校の措置により、企業と国民の双方が一気に自粛モードに入った結果ではあるのですが、冷静に周りを見回すと過剰な自粛、"自粛"を通り越した"萎縮"になってしまっているように見受けられます。それはなぜでしょうか。
勝手に「1-2週間が瀬戸際」と言った専門家会議
ここで改めて自粛に至った経緯を振り返ると、最初のきっかけは、内閣官房に設置された専門家会議が2月24日に、「これから1-2週間が急速な(感染の)拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となります」という見解を示したことです。
この専門家の見解を受けて、安倍首相が2月26日にイベントの自粛を、そして27日に小中高校の全校休校を要請しました。
ところで、この経緯の中で私が1つ疑問に感じていたことがあります。どうして専門家は「1-2週間」という具体的な数字を発表したのだろうかということです。
そもそもコロナウイルスは新しい感染症ですので、当然ながら専門家も明確な根拠や確証を持って「1-2週間」と具体的な数字を示せるはずがありません。単に専門家の切迫感の表れなのでしょう。
ところが、政治的には具体的な数字を出すのは重い判断です。この「1-2週間」がたったら本当に瀬戸際を超えたのか、と問われることになるからです。普通なら「当面の期間」などといった表現にするでしょう。案の定、今週が2週間後に該当するので、安倍総理は3月10日にイベント開催の自粛を10日程度継続するよう要請する羽目になりました。
ちなみに、2月24〜27日の前後に政府内でどのような議論や意思疎通が行われていたか、私が官邸周辺を中心にさまざまな関係者から情報収集したところ、どうやら専門家会議は官邸の完全な了解を得ないまま「1-2週間」という数字を発表した可能性が高いように感じます。専門家会議の議論の中身を仕切っているのは厚労省のはずなので、官邸と専門家会議をつなぐべき立場にある厚労省がここでも大きなミスを犯したのです。
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