ToshiYasuiBlog

慶應義塾大学大学院システムズデザイン・マネジメント研究科の教員である筆者が、ポストシステム思考・ポストデザイン思考の研究教育のさまざまな試みを自省しつつ、日々の振り返りとして書きつづる

レジリエンスを流行言葉だけに終わらせないには

ProfShimizu

慶應SDMの推奨俯瞰科目「社会システムのシステムズ・アプローチ」。この土曜日午後の隔週の講義では、頭でっかちにならないように、社会システムの多様さが体験として腑に落ちるように、多くの外部講師の先生においでいただき、講義やワークショップ付の演習を行っています。

上の写真は、本日ご講義いただいた、京都大学防災研究所の清水先生。東日本大震災をきっかけに、日本でもようやく注目を集めるようになったレジリエンス(強靭性、打たれ強さ、回復性)という言葉をキーワードに、レジリエンスを社会システムが確保するためには、ベースとしての参加型の政策システムが大事なこと、そしてレジリエンすは単なるハコものの拡充ではないこと、を情熱をこめて話していただきました。さすが、日本の新進気鋭のレジリエンスシステムの研究の第一人者。レジリエンスを単なるBuzzwordに終わらせないシステムマネジメントの講義に、学生たちは興味しんしんで聞き入っていました。

MsHayashi

当科目では、このような座学以外に、政策ワークショップも開催。この写真は、5/11土にいらしていただいた大手外資系証券のMDをされておられる林礼子先生のご講義。林先生はソブリンや公共ものの債券を中心に、債券起債市場の市場関係者としては知らぬ人はいない有名な方。さらに社会貢献活動や企業や社会のダイバシティ確保活動、そして障がい者の方へのボランティア活動にも熱心な取り組みで知られています。

0511WS2

林先生のプレゼンのあと、日本の債券市場の最適ソリューションを考える、熱いワークショップを、デザインプロジェクトで学んだ手法を応用して、行いました。ワークショップのファシリテーションは教員ではなく、ボランティア学生とTAのみなさんです。みなさまの自主性に脱帽です。

0511WS1

社会システムというintangibleでinvisibleなことが多いシステムのソリューションを提案するには、やはりfail fastの原則でどんどん提案していくのがベター。そのためのソーシャル・イノベーションの方法論を、慶應SDMの学生たちがどんどん学んでいる手ごたえを感じています。

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  1. 2013年05月25日(土) 15:54:11|
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